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【ダイナミックマイクのアクティブ化】

SHUREのSM57の作りを真似た、JTS製のダイナミックPDM57です。楽器用ダイナミックマイクです。性能は非常に良い。会議アプリzoomを使ったネット経由での発表会で、このマイクを使うことにします。ただし、マイクプリアンプに繋いだところ、若干音量が足りないような気がします。ダイナミックマイクはもともと出力電圧が小さいので、かなり大きなゲインのマイクプリアンプが要るそうです。

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それで、マイクの直近のライン上にプリアンプを仕込みまして、ファンタム電源駆動のアクティブマイクにします。マイクのすぐ近くでゲインを稼ぎますので、オリジナルの仕様よりも高性能なダイナミックマイクになります。キャノンケーブルのコネクタが丁度良いサイズなので、コネクタの筒だけにして、中の突起を研磨して、このなかにプリアンプを仕込みました。

アクティブ・プリアンプ1


このアクティブアンプをダイナミックマイクとケーブルの間に繋いでみました。音は大きくなっています。動作は正常です。ゲインは約20dB(約10倍)です。音は綺麗に聞こえるのですが、その背景に「サー」という原因不明のノイズが発生しています。ノイズの原因を調べてみました。

やっとノイズの原因を突き止めることができました。ノイズは、基板内のダイオード(ツェナーダイオードという特殊部品)が原因でした。ファンタム電源は48Vなので、プリアンプの電源としては電圧が高すぎます。それで、ツェナーダイオードという特殊なダイオードを使って、電圧を9Vに下げて、アンプの電源に使います。48Vを9Vに急激に下げる際に、電源に振動が発生していました。対策としては、ツェナーダイオードを取り外します。そのかわり、両端の電圧がちょうど9V程度になるように、固定抵抗に置き換えます。壊れたプリアンプの基板から抵抗のチップを外して、この基板に取り付けました。さらに、初段のFETアンプの回路構成で、入力インピーダンスを50kΩまで下げて、ダイナミックマイク仕様に変更しました。

試しにダイナミックマイクとファンタム電源を繋いでみました。アンプは正常に動作しています。ノイズは完全になくなりました。現在は仮に接続した状態ですので、XLRの洒落た入力端子を取り付けまして、まともな外見にします。

図1


ゲインは20dBほど(約10倍)です。見た目は、入力、出力がXLR仕様で、長さ8cmほどの小さな金属の筒です。このアンプの利点としましては、マイクとマイクケーブルを外しまして、その間に挟むだけでよい。マイク自体を改造することはありません。それだけでアンプとして動作します。また、ダイナミックマイクは、トランス仕様でも、トランスレス仕様でも、いずれも使用できます。ファンタム電源で動きますので、電池は要りません。しかも音はクリアであり、ノイズ等が殆どありません。わりと優れものです。土曜日に、zoom環境でのプチ発表会があります。それで使ってみる予定です。

アクティブ・プリアンプ_完成品