先週、フロリダで日米首脳会談が開催された4月18日、東京では皇太子殿下、雅子妃殿下のご臨席のもと、ジャパン・ソサエティー創立110周年の記念レセプションが開催された。

ジャパン・ソサエティーは、日米の相互理解の推進を目的に掲げる米国の民間非営利団体である。1907年(明治40年)、日露戦争の後、太平洋を挟んだ両国の友好を促進する必要があると考えた実業家や篤志家たちによって設立された。

1952年に理事長に選任されたジョン・D・ロックフェラー三世である。現在でも彼の孫に当たるジャスティン・ロックフェラーが理事を務めており、レセプションでは興味深いエピソードを紹介してくれた。

戦後間もない1950年代初頭、短期滞在の予定で来日したロックフェラー三世は、日本の素晴らしさに魅せられ、以降、数年間にわたって日本を訪れるようになったというのだ。今では、ジャパンソサイエティーの運営財源は、日米の企業や財団、個人などによって幅広く支えられているが、ロックフェラー三世が戦後直ぐに、運営を立て直さなければ、その後の活動は停滞していたかもしれない。

ご存じのようにロックフェラー家は19世紀末から20世紀にかけて石油業で財をなし、フィランソロピーの精神に基づいて、ロックフェラー財団(1913年設立)などを通じ、数々の社会貢献活動を展開してきた。ロックフェラー家の中でも芸術文化を通じた国際相互理解の促進に力を注いだのがロックフェラー三世である。彼は、1956年にはアジア・ソサエティも創設している。ジャパン・ソサエティーと同様、芸術文化、教育、政治経済などの領域で、アジアと米国の相互理解を促進することを目的にした民間非営利団体だ。ニューヨークの他、香港、ヒューストンに拠点を構え、事務所は東京、ソウル、上海、マニラ、ムンバイ、シドニーなどアジア各国にも設置されている。

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