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LINEとY!Jの合併戦略は2014年のKAKAOとDAUMの合併戦略の日本VERである

今は、NAVERにトラフィックで負けてますが、2014年のKAKAOとDAUM合併当時は、DAUMが韓国No.1のポータルサイトだった。

その当時、KAKAOは、スコアを競うKAKAOゲームが大ヒットを収めた。が、それほど長続きしてなかった。KAKAOTALKでつながっている友達にゲームを誘えば、もらえるコンティニューアイテム(プレイ制限が回復するアイテム)があまりも多く受信されてしまうので、みんな疲れてきて、KAKAOゲームをやらなくなったのだ。

外からみた感想に過ぎないかが、次の戦略があやふやに見えてきた。その時、DAUMと合併することになる。

合併当時記者会見写真
https://www.yna.co.kr/view/AKR20140526025200017

その当時、DAUMは完全にモバイルシフトに遅れをとってしまいモバイルポータルではNAVERに負け2位に転落してしまう。まだ、PCでは1位だったが、モバイルシフトが急速に進めているので相当焦ったと思う。

合併後のKAKAO・DAUMは4、5年間、コンシューマ向けのサービスを多くリリースするがFacebook、Instagramなどに勝てなかった。しかし、金融サービスに進出した途端、大成功を収める。現在の時価総額は、32兆ウォン(約3.2兆円)で合併前より約5倍近くまて評価されている。

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今のKAKAOは無店舗運営型のKAKAO銀行を手に入れ個人融資や小口投資商品まで取り扱う総合金融サービスまで成長を成し遂げた。

この状況を目にしたNAVERは、韓国ではほとんど使われてないLINEで、KAKAOTALKと戦うのは辞めて、韓国DAUMに相当するY!Jを組むことで、日本ではKAKAOTALKのポジションを持つ強みを活かし、KAKAOとDAUMが展開した戦略を日本VERを実行していくのではないかと思う。

今までのLINEは、スタンプ、ゲーム、音楽、マンガ、ライムライン、ビジネス向けグループチャット、匿名チャット、ブロックチェーンプラットフォームまでKAKAOの戦術をベンチマークし、日本で展開しているところが多い。今、KAKAOでLiveコマースが流行っているのでLINEも同じくやっていくでしょう。

しかし、今回の場合は、少しややこしいのが、すでにPayPayを通じて金融総合サービスに始めているので、LINEがY!Jと合併したところで、KAKAO・DAUM戦略ができなくなる可能性が高いのではないかなと思う。LINEとPayPayをサービス統合こそ、今回の合併の成功ポイントになると思う。

PRESIDENT Onlineにてコラムはじめました。
https://president.jp/articles/-/28505

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