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天空兄弟

天に初めて会った日のことは、今でも鮮明に覚えています。2018年10月17日。この辺りに暮らす子たちと一緒に歩く姿を遠目に見掛けたのが最初でした。『あの黒猫はどこの子だろう?』と、暫くながめていると...目が合うなり突然駆け寄って来て、スニーカーに戯れついてからのヘソ天(笑)『初対面なのになんだこの子はw』と驚かされたのでした。こんな稀有な出来事があった日のことを、忘れるはずがありません。

その後名付けることとなる『天』てんという名は、この時のヘソ天から来ています(笑)

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その後暫くして、天と行動を共にするキジ白くんと会うことになります。『歳の頃も同じくらいだし、佇まいも似ているし、兄弟かな?』そんな思いを巡らせている中、事情通のおばさまから、ココの道向こうでこの春生まれた子であることを知らされます。ともに暮らしていた親猫は、最近車の事故で亡くなってしまったことも。きっと親を亡くしたこの兄弟は、精一杯の勇気を振り絞って道路を渡り、ココにたどり着いたのでしょう。幸いココに暮らす子たちは比較的みな穏やか。すんなり受け入れてもらえたようでした。

その後この子は兄弟の天から連想して『空』くうと名付けました。
こうして天空兄弟が誕生したのでした!(一人盛り上がる僕w)

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最初からフレンドリーだった天とは違い、空はかなりのビビりさん(笑)近くまでは来るものの、なかなか距離が詰められずにいました。

野良猫と仲良くなりたい時、僕は自分からはなるべく近づきません。何度も通い何度も話しかけ、それ以外何もせず帰ることを繰り返します。そうしているうちに彼らは僕の姿や声を覚えて、やがて危険でないことを理解してくれます。するとある日突然、彼らの方から歩み寄り、心を開いてくれるのです。
(他の方はどうしているのか?とても気になりますw)

空の『その時』が訪れたのは12月12日でした。喉元を撫でてあげると可愛い声で鳴いてゴロゴロ。それからはもう毎日会いに行くのが楽しくて楽しくて。天空兄弟には、たくさん遊んでもらいました。

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年が明けた2019年1月18日。『過酷な環境でこの寒い冬を越させたくない。』そんな思いから保護に踏み切ります。いつも通り名を呼んで天空を呼び寄せます。最初にスリスリしてきたのは空。馴れて間もない空でしたが、抱えてキャリーケースにポン。あっさりでした(笑)ただそこは野良猫。初めての経験にパニクって暴れます。それを見ていた天は、そんな空の姿に怯え、その後暫く僕に近づくことはありませんでした。この日は6頭の保護を予定していましたが、保護出来たのは空をはじめとするこの春生まれた3頭でした。(ママニは里親さんの元、マニちゃんとして幸せに暮らしており、サフランは一緒に保護してくださったTさん宅で元気に暮らしています。)

結局、天の保護は空から遅れること4カ月、2019年5月24日になってしまいました。空と同じくとてもいい子で、抱き抱えてキャリーケースへポンでした。

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その後くうちゃんは東京の保護猫カフェ・駒猫さんから、優しくて猫第一に考えてくださるご夫婦に迎えられ、とても幸せに暮らしています。そして同じく駒猫さんでお世話になっていたてんくんが、今日トライアルに出発したそう。無事にトライアルを終え、迎えてくださる里親さんの元、くうちゃんのように幸せに暮らして欲しいと強く願います。


最後にボヤキ...
『てんくん、くうちゃんは別々の猫生を生きる運命だった』と自分に言い聞かせてはいますが、一緒に保護してあげられなかったことを、実は今でも悔やんでいます。




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