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あたりまえが難しい
子供達の主体性が育まれる土壌づくりをテーマに、ミニバスケを使ったワークショップ 「躍心JAPANフェスティバル」を運営している時に、参加者全員で「仕事と作業の違い」について確認し合うことがある。
(このワークショップは、ミニバスケを使って行われる親子参加のイベントで、いわゆるバスケットボールクリニックではない)
この話は、子供達に向けてのメッセージと思われがちだが、ここで参加する親御さんだけでなく、運営する躍心JAPAN団員達の多くが…「子供達の意識を変えたければ、まずは我々大人から!」ということに気づかされる。
「仕事と作業の違い」…なんとなく、それは違うだろうとは感じてはいても、このあたりまえのことが、案外大人でもできていないからだ。
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大人も同じ
味方に心を込めて丁寧なパスを出すのが「仕事」…そうするとパスを貰う人もとてもボールをキャッチしやすいので、次のシュートモーションにも滑らかに移ることができ、シュートの確率も上がる。
キャッチしづらい雑なパスは「作業」…だから自然とシュートは入りにくいものとなる。
つまり『自分ではない誰かの役に立てること・その人の先の笑顔を想い描いて行動するかどうか』で、成果は大きく変わる。
…実は、それは大人も同じ。
スタメンだろうが、控えだろうが、ベンチすら入れない者であろうが…
自分が主体的に目指す夢実現にむけて、仲間と一緒に、常に「今の自分にできるベストな仕事」を探し続ける個人が集うチームは、日常生活でも一味違う。
「自分はどうしたいのか」という主体性をベースに、人に言われる前に「自分」で考え「行動」に移せる自主性もある人達だから…常にイキイキしている。
…それは、大人の組織でも同じ。
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必死にルーズボールに飛び込む子
体格劣勢でもステイ・ローでポジション死守する子
自分の動きが無駄になろうとも懸命にリバウンドフォローに走る子
素早くタオルや水筒を差し出す気配りのある子
懸命に声を出して仲間を勇気づける子
などなど…
ボールがあるところ以外にも、懸命に自分にできる仕事をしている選手はたくさんいる。
応援席の大人は、ミスへの罵声や怒号よりも、そうした『スコアに表れない仕事』をした子に称賛を送って欲しい。
それが大人の支えというものだろう。
…それは、大人の組織でのマネジメントでも同じ。
誰もが気づきやすい目を見張る働きだけではなく、目立たないところで、しっかりとチームの支え、そして組織の先にいるお客様への幸せづくりに貢献しているスタッフは、必ず存在している。
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ご指導の言葉で気づかされる
躍心JAPANフェスティバルでは、子供達に「自分の仕事の質を高める」ことについて、もう一つ気づいてもらいたいことがある。
仕事をしようとする人は、日頃から指示内容の本質を理解し、自分にできることを探そうとするため「不測の事態」の対応能力も養える。
作業しかしない人は、指示内容と違う状況が生じた時の対応能力は薄い。
不測の事態への対応能力が高いチームは…強い。
とりあえず目の前の「作業」には取り掛かろうとはするが、自分の手に負えないと他の人に委ねるか、誰かやってくれるやろうと知らんぷりする人は、オトナの社会でも多いよね。
そうした中、娘が小学校時代にお世話になった地元ミニバスケご指導者のお言葉は、いつも深い。
体育館使用の練習前準備・後片付け・試合会場準備などの時は、大人の指示を待たず…考えて自分から仕事を探しなさい。
説明は耳で聞くのではなく、心で聴きなさい。
挨拶は言葉を届かせるのではなく、心を届けなさい。
強くなりたかったら、それを毎日続けなさい。
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その昔、こんなこともあった。
「もっと勝てるバスケを教えて欲しい!」と詰め寄る母親に対して、静かに返答していた監督の言葉が「ごもっとも」だった。
まず、お子さんにはご家庭で自分の事は全て自分でさせてください。
起床などの時間管理・物の準備…全て自主性に任せ失敗もさせ、甘えをなくして下さい。
バスケの基礎はしっかり教えます。
そして、ボクらが常々その監督の言葉の深さに感服していたことがこれだ。
大事な試合の時ほど、日々の生活態度の全てが出る。
つまり、試合というのは、生活発表会みたいなものだ。
試合とは、日々の生活態度の「試し合い」なんだよ。
どうだろう…大人は、「仕事」と「作業」の違いを、言葉で定義づけのように説明はできるだろうが…
いざ、自分自身の日頃の行いを考えると、子供達に説得力はあるだろうか?
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この方のお言葉にも共感
「幸せな子」を育てるのではなく、どんな境遇に置かれても「幸せになれる子」を育てたい。
この言葉の深みに大変共感させて頂いている。
自立心、積極性、協調性、忍耐力、集中力、気配り、仲間意識を養えるミニバスケなどの少年スポーツは、人間形成に素晴らしい要素が満載。
恥を忍んで告白すると…ボクのサラリーマン時代は、ノルマや上司の顔色を窺って仕事してきた気がする。
脱サラしてベンチャー企業を起業した時は、途中からは出資者の方々の顔を窺って仕事していたのが実態であったと認めざるを得ない。
その後、個人事業主になってからの今は、経済的に豊かとはいえないかもしれないが、なぜか心は一番豊かに暮らしている。それはおそらく…今は、顧客の笑顔を想って価値創造のお手伝いをしているからだとつくづく思う。
これらのことに自戒の念も込めて、「仕事と作業との大きな違い」を大人が日々の暮らしから認識しておくことを肝に銘じたい。
少年スポーツによって子供達の主体性が育まれる土壌づくりと、我々大人が社会で挑む価値づくりには、深い相関性を感じるんだ。
日本経済が失った心豊かさは、少年少女の心が育まれるプロセスから、気づかされることがたくさんあるんだよね。
躍心JAPAN団長
河合 義徳
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