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「宇宙を動かせ」~セレンディピティを磨いて人生を楽しむコツ

序章:セレンディピティ


「無意識の作用によって、偶然的な幸運に巡り合う力」…そういう理想的なチカラがある人。
これを「セレンディピティが強い人」と表現される。

「それは、特殊な能力の持ち主の話で、自分はそういう夢物語とは無関係」と諦めている人がとても多い。
そればかりか…「自分が楽しいことばかりしていると、マジメな人達に後ろめたい気になる」と罪悪感に近いものを感じてしまう人も然り…。 

そう感じている時点で、「セレンディピティ」は芽生えないと断言できる。

一方で…

「私にもセレンディピティを高める方法ってあるっていうこと?」と訊ねられることもある。

方法はある。
誰にでも「セレンディピティ」の素地は持ち合わせているからだ。
皮肉なことに…どうも自分で封印してしまっている人が大半かもしれない。


「マジメ」の意味に「従順」はない


まず整理しておきたいのが…とても多くの大人達が「マジメ」の本当の意味を誤解しているということだ。

大半の人が「マジメとは、人に従順で、ルールや規約を破らないこと」という意味合いで捉えがち。

そういう意味合いは、どの辞書にも載っていない。
「真面目」を辞書で調べてみるといい。
そこに書かれていることを要訳すると「自分にウソをつかない」ってこと…つまり、漫画にある「本気と書いてマジと読む」…まさにそのとおり!

このまま、大半の人が、人に従順でルールを逸脱しない「いい子ちゃん」という意味が「真面目」と勘違いしてしまっていると、極端な話、いずれ辞書に記載される意味も、そんな風に変えられてしまうかもしれないよね。

残念だが…そういう「いい子ちゃん」には、今から伝えることは、なかなか響かない。
ウソのない自分で、自分らしく本気で楽しめる人生を過ごすことに何ら抵抗がない人でないと、腑に落ちない話だからだ。

もっと掘り下げて言うと、マジメの意味を間違えてきた人は、「そもそも、本当の自分らしさというのは…一体何だろう?」と、自分も納得できるように言語化できないことに戸惑うんじゃないかな…。

本気で楽しんで生きるのは、決して楽なことではない。
「自分はどうすれば良いのだろう?」と答えを求めることよりも、自分らしく「どうしたいか」を考えることは、決して楽ではないからね。 

でも、今からしたためることは、そこを明確にしないと始まらない話だ。

「やること」は三つだけ。
このコラムの結論を先に言うと、その三つをすることで、「そろそろ自分で宇宙を動かしてみようか♪」っていうことだ。

そういうと、壮大で現実離れし過ぎだから、やはり自分とは関係ないと思いがちだが…実は誰にでもできる。
チャンスは、誰にでも公平にある。

「自分で宇宙を動かす」ためにやるのは、次の三つの動詞に集約される

 1・決める
 2・振り払う
 3・持つ

これだけを常に心がければイイ。
先に書いたが、もちろんその一つひとつは、決して楽な行動ではない。

でも「自分にできるかな?」と躊躇せずに、「それをやるかやらないか」という思考性と、脳の使い方を持つことが大切なんだ。


一章:未来を決める


この章では、難しい話は全て端折ろう。
この章で語るのは、第一章のタイトルどおりの言葉だからだ。

「未来の自分はこうなっているとイイな~」という人は多い。
しかし…そうはならないね。
それは願望に過ぎないから…絶対にならない。

「未来の自分はこうなる!」
願望ではなく決めたのなら充分に可能性があるし、しかも、その決断が相当な覚悟なら…「成る」

さらに、「どうなる」っていうのは、漠然としたものではなく、こと細かに具体的であればあるほど「成就」しやすい。

では…なぜ「成る」のかを体系的に紐解いていこう。

自分は「いつ頃までに、どこで、どんな手段を用いて、どうしている」と具体的な内容で「決断」すると、脳の中に、どうすればそれを実現できるのかという「心」が芽生える。 

情報処理をするだけの脳とは違い、脳に「心」が芽生えると、情報の受け取り方に感性が働くようになる。

つまり、未来はどうするんだと決断していなかった時には、見過ごしたり、聞き逃したり、気づかなかったことが、自分だからこその「感性」が働くと自然と拾えるようになる。

なぜなら…
「見る」が「視る」に…「聞く」が「聴く」に…「知識」が「知性」になっていくからだ。

まずは、それが自分オリジナルな未来形成の「礎(いしずえ)」になる。


二章:過去を振り払う


未来だけではなく、自分の過去を振り返ること自体は、悪いことではない。
未来に向けた自分の歩みにおいて、一度立ち止まって、自分の至らない点などを顧みることは、大切なことだ。

しかし「過去に執着」するようになると、様相が変わってくる。
この「執着」というものは、なかなか厄介なものだ。

過去に起きたことや、理不尽なことに遭遇したことに「執着」「固執」し過ぎると…これまた、どんなに素敵な要素が目の前にあっても、まるまる見過ごしてしまうようになる。

なぜなら、「執着」や「固執」は、自分が「考えること」を放棄した瞬間でもあるからだ。
考えることを辞めてしまうから、自分が「先へ動くこと」を止めた瞬間でもある。

つまり、それは…未来の自分の可能性に蓋をすることを意味する。
心が乱れていたり、ささくれている時というのは、「固執」と「執着」が、奥底に散らかっていることが大半だ。  

一方で、「執着」している自分のことを、「こだわり」なんて、随分と都合の良い言い方に変えているだけのこともある。
でも、「執着」と「こだわり」は、大きく違う気がするんだよね。

「こだわり」がある人は、未来に向けて歩み続けていて…止まっていない。   

とにかく…人は、不完全だから面白い。
「気の持ちよう」で、なんとでもなる。
「不完全である自分」を素直に受け入れたなら、「執着」は振り払おう。

辿り着きたいところに行こうして、一心不乱に突き進む自分のことを、バカにしてきた人もたくさんいるだろう。
そんなことにも「執着」するな。
笑いたければ、笑わせておけばいい。


三章:勇気を持つ


三つめは勇気を「持つ」ということ。

勇気は「出す」という動詞が一般的には正しいのではないか?と、指摘されそうだが、実際問題…勇気を出すって、普通の人はそう簡単には「出ない」んだよね…。ボクもなかなか出ない…。

では、なぜ勇気の話なのかというと…人間の「徳」について話が及ぶ。

「徳」には、いろんなものがある。

たとえば、気品、意志、温情、理性、忠誠、名誉、誠実、自信、勇気、謙虚、楽天主義など…そして、その「徳」の中で、ボクらが最も大切にしているのが「勇気」だ 。

人間が持っている「徳」の中では「勇気」が第一のものである。
なぜなら「勇気」こそが他のあらゆる徳性を保証するからだ。

ウィンストン・チャーチルの言葉

なぜ、唐突に「徳」の話を出したのか。

未来の「自分はこうなる!」と「決断」したことを実現させるために、「意図(心)」が働き、「執着」を振り払ったとして、それでもやはり人間は、一人では生きていけないのだ。

「得」がないと家族以外の人の心は動かない…。
しかし、その前に、自分に「徳」がないと人の心が開かない。   

「得」は、相手が感じる未来の期待値。
「徳」は自分が積んだ過去の経験値。

「信頼」は、自分達の姿勢で築くもの。
「期待」は、未来への覚悟で示すもの。

その両面は大きな感動でなくてイイ。
日々の小さな積み重ねと大きな決意…そこから人は自然とつながり始める。その「徳」の中でも「勇気」を持つことが凄く大切になるんだ。

勇気は、なかなか「出ない」のなら、「持つ」ことから始めればいい。


最終章:自ら必然性に変えていく


「決断」して、執着を「振り払う」ことをして、勇気を「持つ」ことを続けているとね…一章に書いたように、嘘のない自分の心が入った脳が働くようになる。

脳を動かすために、心を動かして「決断」して、「振り払う」ことをして、「持つ」ことを続ける。 

するとね…必ず見つかる。
必ず出逢える。
必ず気づくこともできる。
だから、必ず「築く」ことができている。

そういう時、まさに傲りでもなんでもなく、宇宙がちゃんと自分に反応してくれているんだなって思えるよ。
つまり「セレンディピティ」は、自分で引き起こすものということだ。

宇宙を動かせと言いながら、矛盾しているかもしれないが、ボク個人的には、実は「社会を自分で変えてやろう」なんて大それたことは思わない。

それでも…やるだけのことはやる。
人間、いつ死ぬかワカラナイからね。

人生百年時代と言われてはいるが、異常気象による自然災害は悪化の一途だし、どうも社会構造全体が歪んだままだから、最近では人も壊れ始めているし…いつどういうカタチで事件事故を含めた災害に巻き込まれるかもわからない。

突然、どういうカタチで死が訪れても、挑まなかったことを後悔したくないし、今では未来の自分に期待したくなる生き方しかしていないから、いつ死んでも笑顔であることが「決定」している。

結局、最も大切なのは…
「どれだけ生きるか」よりも「どう生きるか」だと思うんだ。

一分一秒、悔いが残らないほど全力で取り組んでいたら…
気づけば「あれ?セレンディピティって…偶発性の中で幸運が舞い込んでいるのではなく、それは必然性だったんだ♪」と気づく時が来る…。

ボクらは一人ひとりが幸せになるために産まれてきたんだ。
そして、次世代の子供達もまた、そういう姿勢のボクらの背中を見ている。

さあ!…一人ひとりの宇宙を動かしてみようか!

Backstage,Inc.
事業文化デザイナー
河合 義徳

(参考)このコラムが巻末にも記載されている本

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#勝ち組より価値組
#自分を活かして生きる者こそが生活者
#ロックな仕事観
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#子供達は大人のウソを見抜く天才達
#無形資産はあらゆる価値づくりの土台

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