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ハードロックとエミネム #音楽の履歴書~後編~

  #音楽の履歴書 。先週は前半戦として、幼少期から中学校時代までの自分の音楽遍歴をまとめました。まだ読んでいない方は、もしよければこちらからどうぞ。今週はその続きで後半戦です!


4 エレキギターを手にするまで

 細かいことを言うと、この話は中学3年の末から始まります。高校の入学祝(というか高校受験の合格祝い)に、祖父にエレキギターを買ってもらうことになりました。自分からねだった記憶がないので何故そんな話になったのか覚えてないけれど、おさがりのアコギでガシガシロックの練習をする俺を見兼ねての優しさだったのかな。前編でも書いたけど、当時俺の地元にはまだ「エレキギター=不良少年」な色眼鏡が少なからずあったので、エレキを手に入れることはほぼ不可能に近かった。そんな中で祖父がエレキギターを買ってくれたことは間違いなく自分の転機になっているし、もしもあの時ギターを買ってもらっていなかったら、今の人生も絶対に随分違ったものになっていたはずです。いきなり話が逸れてるけど、改めて謝意を表したく。まぁ、じーちゃんはネットせんけんね。これも読むことないだろうけど、今度会うとき、改めてお礼言おう。

 祖父は何事によらず、いわゆる本物志向な人で、きちんとしたものを本場で体感することに価値があると考える人だった。その価値観を俺も色濃く受け継いでいるが、まだ身の丈にあっていないので、俺ごときじゃせいぜい、ただ形から入ってるだけの兄ちゃんってとこだろう。祖父は楽器には詳しくなかったけれど色々と調べてくれて、御茶ノ水のクロサワ楽器に連れて行ってくれた。当時は高速バスも無かったから、木更津から東京まで行くのに電車で何時間かかったかな。ちょっとした旅行気分でウキウキしながら一緒に御茶ノ水まで行ったなぁ。。。地元にも楽器屋がなかったわけじゃないんだけど、CDショップの隅に安いギターやベースが何本か飾られているくらいのものだったから、中央線を降りた当時の俺は完全にノックアウト状態。360度楽器が立ち並ぶあの街に、まさしく選り取り見取り深緑と言われて立ち竦んでしまった。

 当時からポルノグラフィティが好きだったので、「メリッサ」のPVで見ていたレスポールを買ってもらおうと思っていたのだけど、実際には店員さんが、「初心者の方ならまずは」と、テレキャス、レスポール、ストラトのいわゆる3大ギターを出してきてくれて、いろいろ弾き比べた。たしか、その時はテレキャスが一番弾きにくく感じて、ストラトが逆に一番しっくり来たんだよね。隣のブースで見るからにバンドマンな兄ちゃんがゴリゴリに試奏しているなか、たどたどしくCコードを鳴らすのが恥ずかしかった思い出がある。ネックの感じとか弾きやすさはストラトが一番良くてめちゃくちゃ悩んだんだけど、最終的には初志貫徹ということでレスポールにした。それが2008年の2月か3月のこと。それ以来2020年の4月にGibsonのレスポールを手に入れるまでずーっと愛用していました。もちろん、その間にメインギターが変わったことは何度もあるけど、ライブはもちろんRECでも、ここぞというときに使っていた。音が特別いいというわけじゃないけど、自分の中では最古参のギターで最も手に馴染んでいるぶん、いまだに安心感があるんです。今後、ライブで使うことはより一層減ると思うけど、たとえ将来的にギターを二度と弾けないような状況に陥ったとしても、まず間違いなく絶対に手放さない大事な一本です。



5 高校時代~ハードロックとエミネム~

 さて。前置きが長くなりましたが、このエピフォンレスポールを引っ提げて市内の高校に入学した俺は、そこで実に様々な音楽と出会いました。

 まず当時最もハマっていたのがエクストリーム。ポルノグラフィティのバンド名の由来になっていることでも知られる超名盤 of 名盤「Pornograffitti」をMDウォークマンに入れて毎朝爆音で聴きながら電車通学していた。それがきっかけで、深く歪んだエレキギターの音色に魅せられてハードロックやメタルにハマっていきました。Harem Scarem、Orianthi、Theory of a deadman、METALLICA、AC/DC、などなど。それに加えてパンクも沢山教わって、Green DayとかSUM41、Avril Lavigneあたりをよく聴いていました。あと人並みにYUIとかもよく聴いたし、もちろんポルノも継続的に聴いていましたよ。


 少し様子が変わってきたのは高校2年から。交換留学で短期間アメリカのデトロイトにいましたが、現地の友人に教えてもらったのが「The White Stripes」と「Eminem」。これまた強烈な刺激だったわけです。

 まずWhite Stripesに関しては、ジャックホワイトのヒステリックなヴォーカルと破壊的なギター、そこにメグホワイトの力強いドラムが絡んで、今さら言うまでもないことですが本当に唯一無二の世界観。一瞬で虜になりました。当時、デトロイトのモールで買ったのが「Get Behind Me Satan」というアルバムで、一曲目に「Blue Orchid」という曲があるのですが、ホストファミリーの家でそれを聴いた瞬間にもう衝撃で、その晩はホームパーティーがあったのに欠席して一晩中アルバムを聴いていたくらい。敢えて言うならばWhite Stripesの曲って、意味わかんないんですよね。いや、意味わかんないわけがなくて、今改めて聴くとわかることや伝わってくる意味も感じるんだけど、当時高校2年生の俺には意味わからなかったです。今思えば豪快に演奏する繊細な美学とか、爆音の中にきちんと成立している秩序や様式美のようなものを教わったように思うけど、、当時はその豪快さと混沌にただただ魅かれた感じでした。
 Eminemは、言わずと知れた天才ラッパーですね。たまたま俺を受け入れてくれたホストファミリーの界隈にヒップホップ好きな人が多くて、車の中なんて大体エミネムが掛かっていた。そこで「俺はラッパーになろう!」とまでは流石に思わなかったけれど、リズム感を嫌というほど叩き込まれました。今思えば、あの時きちんとリズム譜の勉強でもしていれば飲み込みは違ったんでしょうが…そのことを差し引いても、後ノリのリズムや3連符など、ヒップホップ特有の「ノリ」が染みついたのは間違いないですよね。Eminem以外のヒップホップだと、50 CentとかDr. Dre、Toby Mac辺りを聴いていました。


最終回は次回

このお題、楽しいですね。思い出していたらキーボードが止まらなくなりました。本来は今回で終わる予定でしたが、この後に大学時代、インディーズ時代、社会人時代、現在と続くので、一向に収まる気配がなく続きを次週へ持ち込むことにさせて頂きました。ゆったり書いていきますので、ゆったり楽しんでもらえたら幸いです!


ジュンペイ


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おまけ
White Stripesの曲、特に上記で紹介した「Blue Orchid」などは実にシンプルなので、DTMや打ち込みの練習として耳コピするのも良いと思います。興味ある方はぜひチャレンジしてみてください。譜面通りに打ち込んでいくことは簡単な曲なので打ち込みの練習にはもってこいなんですが、原曲の感じを出そうと思うとめちゃくちゃ難しいと思います。デジタルでは再現できないアナログの迫力を思い知れる、名曲ですよ。「Seven Nation Army」や「Instinct Blues」も同じような意味でおススメです。

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