日記:⁠10月14日、金曜日、随想、徒然草とともに(18)

17号で、徒然草の思想性や感性が、近代人にさえ共感を覚えさせるものであることを、言いたく、いろいろ書いてみたが、根本的には、それが中国古代の文書に触発されていることに始まっている訳なので、宇宙に生命体がうま
れた太古の昔から、人類にはある種の霊性がそなわっていたのではないか、とも思われる。
こうして、閑居して自由人の身となった兼好法師は、卓抜な頭脳で、ひとの営みを見詰め、あるときは、深く掘り下げ、あるときは、身のまわりのよしなしごとにひそむ真実を、さりげなく書き残した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?