徒然草とともに 3章 ① 55段

 徒然にこころにうかぶまま、あれこれ、そこはかとなく書きつくっていれば我ながら、あやしいこころもちになってくるよ…、と作者の法師があらかじめことわっているわけで、話がどこにどう跳ぼうと、ついていくしかないが、いちおうこのあたりで区切りをつけたくなり、第55段からあとを勝手に3章としました。特に意味があるわけでもないことをあらかじめお断りいたします。
  
 さて、ここ55段で法師が主張する”家の作りようは夏をむねとすべし”は、伝統的に日本家屋の構造の特徴でもあって、いまでは「古民家」と位置づけをされて少なくなってきているものの、わたしのような戦前生まれには、懐かしいつくりでもある。私の生家などもまさにそれだった。次回できれば書き残してみたいと思うが、それにしても”冬はいかなるところにも住まる”とは、法師のように京の住まいならともかく、と、テレビで、越後や北海道の豪雪のニュースを見ながら、今朝ほども、北風のことさら強い東京のマンションの庭を、震えながら通り抜けたのを思い出したりして考えた。


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