小説:セツの思い出;一章 返金可 高沢英子 2021年10月2日 16:20 ¥100 夜半目が覚めた。部屋のなかには、夏の熱気がこもっていて、からだがじっとり汗ばんでいる。セツが闇を見つめていると、遠い記憶が、もやもやと立ち昇ってくる。生まれた家のかたちが、眼の中に揺曳するのは、きまってこういうときである。あの家で、起こったことの、ひとこまひとこまが、きれぎれにうかび、心に灯りをともしたり、めっぽう暗くしたりする。出てくる人のほとんどは、すでに故人である。 ダウンロード copy ここから先は 1,522字 この記事のみ ¥ 100 期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に! 購入手続きへ 有料マガジン ¥ 300 小説 300円 これまで書き溜めた小説、紀行文の整理、改稿、編集を試み、発表します。 期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に! 購入手続きへ ログイン この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート