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アントニオ・タブッキの「レクイエム」で巡るリスボン

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古いブログに細々と書いていたものを、コミケの薄い本「ポルトガルよろず本」に寄稿したのが数年前。もう少し整理して、さらに文章や写真を加えて、noteに掲載しました。旅が好きな方、文…
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#本のある生活

「第8章 懐かしのリスボン Lisboa Antiga」アントニオ・タブッキの「レクイエム」で…

リスボンの街を、魚に乗って浮遊したかのように巡った主人公は、その夜再びアルカンタラ桟橋を…

月の石
3年前
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「第7章 世界一美しい郷土会館」アントニオ・タブッキの「レクイエム」で巡るリスボ…

小説「レクイエム」の中で、私がもっとも心を惹かれた場所が「アレンテージョ会館」だった。原…

月の石
3年前
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「第6章 一番美味しかったのは、漁師のまかない料理だった」アントニオ・タブッキの…

主人公が乗り込んだのは電車、カスカイス行のコンボイオ。私が国立古美術館に行くときに乗った…

月の石
3年前
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「第5章 魚に乗って空を飛ぶ人々」アントニオ・タブッキの「レクイエム」で巡るリス…

主人公が次に向かうのが、「国立古美術館」(Museu Nacional de Arte Antiga)。翻訳本では「…

月の石
3年前
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「第4章失われた人々、そして食事の時間」アントニオ・タブッキの「レクイエム」で巡…

アルカンタラ桟橋で主人公は、「カパリカ海岸」へ行く人の多さにうんざりだ、と語った。ところ…

月の石
3年前
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「第3章 プラゼーレシュ霊園 - アマリアはもうここにいません。」アントニオ・タブッ…

あまりの暑さに、主人公は偽物のラコステのシャツをプラゼーレシュ霊園前の路上で買う。普通の…

月の石
3年前
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「第2章 名前も知らない公園で」 アントニオ・タブッキの「レクイエム」で巡るリスボン

アルカンタラ桟橋で、詩人との約束の時間を間違えたことに気付いた主人公は、近くの公園へ向う。公園の名前は書かれていない。そこで、ここではこの章に出てくるいろんなキーワードに思いを巡らそうかと思う。 まず、主人公はアゼイタンにある友達の農場で昼寝をしていたところ、詩人に呼び出されて(おまけに彼は「幽霊」なのだ)ここに来た、と言う。アゼイタンという単語に聞き覚えがあるような気がした。調べると「アゼイタオン」と表記されることもあるという。「トルタ・デ・アゼイタオン」という名のポルト

「第1章 まだ海じゃない。アルカンタラ桟橋」 アントニオ・タブッキの「レクイエム」…

「今世紀(20 世紀)最高の旅行作家」とも呼ばれているタブッキ。「レクイエム」の解釈とかは…

月の石
3年前
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アントニオ・タブッキの「レクイエム」で巡るリスボン #0

はじめに 私の生涯の愛読書のひとつになるであろう一冊が、イタリアの作家アントニオ·タブッ…

月の石
3年前
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