「第2章 名前も知らない公園で」 アントニオ・タブッキの「レクイエム」で巡るリスボン
アルカンタラ桟橋で、詩人との約束の時間を間違えたことに気付いた主人公は、近くの公園へ向う。公園の名前は書かれていない。そこで、ここではこの章に出てくるいろんなキーワードに思いを巡らそうかと思う。
まず、主人公はアゼイタンにある友達の農場で昼寝をしていたところ、詩人に呼び出されて(おまけに彼は「幽霊」なのだ)ここに来た、と言う。アゼイタンという単語に聞き覚えがあるような気がした。調べると「アゼイタオン」と表記されることもあるという。「トルタ・デ・アゼイタオン」という名のポルト