メイキング② ラフ~下塗りまで

どうも皆さん。
羅小黒戦記は見てくれましたか?

見てない?見てないならこんな記事は後回しにして映画館行ってくれ。そんで感想をマシュマロしてくれ。では見た人は続きをどうぞ。

①ラフ

序盤から何話せばいいかわからんぞ。
はい、まずラフを描きます(タイトル回収)

1ラフ

こんな感じ。雑(ラフ)ですね。自分がわかればいいです(重要)
職業柄どうしてもポスターやパンフレット風の構図にしてしまいがち。とにかく羅小黒戦記5回鑑賞分のくそでか感情のままに描きます。正面と上に奥行きのある構図にしたいのがわかるかと思います(圧)キャラや物が多い場合はある程度ざっくり色分け&レイヤー分けするといい。全体見ながら時々配置変えたりするからね。

絵を描く時はどこに注目してほしいか(かっこよく言うと視線誘導)を意識しながら描くといいです。この場合の視線誘導はシャオヘイ→上のキャラクターですね。色塗りやコントラストでも視線誘導の操作はある程度可能ですが、ひとまずは構図で…構図大事。
映画のポスターとか、視線誘導や構図のいい参考資料になります。(日本版によくあるChoo Choo TRAIN式オールスター大集合構図は除く)
これはネタバレですが実は右にちっちゃく館長とかキュウ爺がいたのが、後の工程で消えます。

②下書き

続いて下書き。シャオヘイの等身が1段階減りました。これからまだ減ります。

2下書き

ラフの透明度下げて、黒でザカザカと。ラフも下書きも、いつも使ってるのは万年筆風ブラシです。まあこの辺は好き好きで。描きやすければなんでもいい。下書きは、なるべくペン入れの時と同じ太さにしておくと、後で印象が変わりづらく、迷い線も減る。多分。
背景はあとで厚塗りやフォトバッシュでやるのでバランスがわかる程度のものでよし。ペン入れをする部分だけなるべく形がわかるように。(右上にキュウ爺の名残…)

視線誘導の話に戻りますが、9割方キャラはこちらに顔や視線を向けさせています。こうするとより奥行きを感じるので。そして、この時点で前述のシャオヘイ→上(この場合はシューファイあたり)に視線が行くようになっていると思います。なってるよね?

③ペン入れ

一番しんどい作業です。どうしてこんなにキャラ多くしたの?と自問自答しながら描きます。シャオヘイの等身がラフの時から半分になってる。

画像3

ペン入れをしながら、微妙に配置も調整しました。いつもはレイヤー1枚で済ませるのですが、今回はキャラも多いし配置の微調整も多いと見越して、1キャラ1レイヤーで描いてます。テンフー、模様がないせいで顔から手の生えたおっさんになってる。そしてキュウ爺は消えました。南無。

ペン入れはいつも鉛筆Rを筆圧変えて使用しています。ザラザラ具合がいい感じで大好き。さらに私は、ペン入れした後にフィルター→ぼかしをかける→透明度を90~80%代にすることで、後工程の色塗りで色が馴染みやすく&アナログっぽさを出すようにしてます。どうしてもパキッとしたタッチや線はアナログっぽさを失うので…

④下塗り(背景ラフ)

ではいよいよ楽しい色塗りタイムに入ります。
まずは水彩テクスチャを貼ります。前回話した通り、テクスチャはなるべくモノクロにした時、色の濃淡の差が激しくないものにします。濃淡調整済みですが…今回使ったのはこれ。クリスタアセットにあった水彩テクスチャから適当にチョイス。

画像7

カラーのテクスチャの場合はまず色調補正で彩度を-100にします。そのあとレイヤーの一番上に「オーバーレイ」で置きます。レイヤー透明度は100%のままで、下地の色からかけ離れない程度に「明度」を調整していきます。テクスチャの質感を強めたい/弱めたい場合は「コントラスト・明るさ」をいじるといいです。
重ねた時の差はこれくらいなら許容範囲。5下塗り3

テクスチャが粗めの方がよりアナログ感が出てオススメ。
ちなみに、テクスチャは基本的に最後の仕上げに乗せる人が多いと思いますが、私はテクスチャを乗せたまま塗ってます。
最初は違和感あると思いますが、テクスチャを乗せたままだと塗ってる時にどんなブラシでも勝手にぼや…もや…と滲んだようなタッチになるので、多少雑に塗ってもいい感じになります(強めの語気)

さて、テクスチャ乗せたら準備完了。下塗りをします。
今まではいきなり本番色塗りに入ってたのですが、下塗りをすると結果的に楽で、アナログっぽくなるので最近は下塗りをちゃんとしてます。
今回は光源や色味を統一するために、まず背景のラフから。

4背景ラフ

背景の塗りはムラ水彩をメインに、空は雲を描くブラシセット、葉っぱの部分はねこのもり(この作者さんの自然系ブラシ全部便利なので、ぜひDLをおすすめする…)を中心に。森部分は最終的に他にお借りしたブラシあるけど、後々の本塗り工程で紹介します。

右のビルについては画力がうんちなのでCC0の写真を加工・切り貼り(フォトバッシュ)して、使用してます。写真素材はいつもunsplashからお借りしてます。
「CC0とは?」という人はここ見て調べてね。

早口になるんですが、羅小黒戦記の吹き替え副題が「ぼくが選ぶ未来」なんですね。で、今回は主人公シャオヘイに示される大きな2つの道(未来)をメインにしたくて森⇔都市という対照的な背景にしてます。

4背景ラフ2

左右が直線的な奥行きなのに対し、地面と空の雲を円状にすることでさらに奥行きを出します。アオリで見た一本の筒のようなイメージですね。そしてキャラもなるべくジグザグに配置することで、動きを出して一辺倒な構図にならないようにしました。オレンジが全体のバランス、黄緑が視線の流れ。
こういう図形の中に収めるようなイメージで描くと、バランスがとりやすく、視線誘導も考えやすいです。私は。

森側は暖色や緑をメインにして温かみを、都市側は青と灰色をメインに冷たさや無機質さを出してます。でも空は一つなんですよね…ウッ(込められるオタクのくそでか感情)
背景はおいおい厚塗りで細かく描きこむので、現時点では大まかな構図や色味がわかればよし。

⑤下塗り(人物)

5下塗り

ちょっと背景ぎちぎちすぎて隙がなさすぎたので、キャンバス幅増やして両サイドの背景をそれぞれ端に寄せました。息苦しさが減った。
下塗りはデフォで入ってるリアル水彩の「水彩丸筆」を「合成モード:通常」で使ってます。
レイヤー分けたキャラごとに下塗りレイヤー1枚で塗ります。色置きは正直雑でいいです。はみ出し混色気にせず。むしろ気にしない方が後々いい味になる。光源と色味が最低限わかればよい。

この場合は太陽が真上なので手前は少し逆光気味で暗めに。上のキャラにつれて明るくなるように意識をします。光源が~という理由もあるけど、何度も言うように視線誘導も兼ねて。全部同じ色味だと視線が迷うので…人間は明るい部分に自然と目が行くようにできてるので、暗(手前)→明(奥)とするといい感じになるし、奥行きも出る。

ここまでやったら次からどんどんキャラを塗っていきます!スクショは取り忘れたけど、ざっくり塗りのコツを交えながら説明していくぞ!
~続く~

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