天地無用(デタラメの解釈)

 鏡を覗くと天地がひっくり返っていた。
 すっかり動転する自分。取り乱す自分。目を逸らしてはまた戻す。生産性のない動作を繰り返す自分。
(冷静に、冷静に、冷静に……)
 そうだ。これは何も驚くようなことじゃない!
 落ち込む必要なんてない。逆さを映すのが鏡というもの。
「だから、これは私ではない!」
 もう身なりなんて正すのはやめだ。
(どうせデタラメなのさ)

かきあげた
鏡を深く
みつめれば
一人前の
しょんぼりタイム

(折句「鏡石」短歌)


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