【日本ワイン ワイナリー情報 ”五一わいん”】
2017/1/30
【林農園 五一わいん】
長野県 塩尻市大字賀桔梗ヶ原1298-170
標高700mの地に15haの自社農園を構える林農園の開園は1911年。
醸造を開始したのは1919年と、県内で最古のワインづくりの歴史があり、ブドウ畑を拓いた林五一さんは″塩尻メルロ″を語る上で欠かせない存在。
戦後の桔梗ヶ原で広く栽培されていたコンコードから造る甘口のぶどう酒。
それが低迷し、産地の危機になったとき1951年からメルロの栽培を試行錯誤していた五一氏が、コンコードに代わる品種を模索していたメルシャンの当時の課長″浅井昭吾″氏へメルロを提供。
それを元に造られたメルシャンのワイン「信州桔梗ヶ原メルロー1985」がリュブリアーナ国際コンクールにてグランド・ゴールド・メダル受賞。
国際的に評価を得るとともに桔梗ヶ原をメルロの産地として名を轟かせるきっかけになりました。
自社畑15ha、ワイナリーのすぐ脇には8haの広大な農園。
そこには有名な”スマートマイヨルガ-方式”(各支枝から北向きだけに新芽を伸ばすように剪定する)のシャルドネも。
1993年に初めて発生した、貴腐菌から造る上質な貴腐ワインの主力品種がシャルドネ。
ツヴァイゲルトレーベ、ピノ・ノワール、ケルナー、リースリング、ソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・フラン、シラーなど欧州系品種も積極的です。
塩尻駅から徒歩25分。
-6℃と気を失うほどの寒さの中、駅からワイナリーへ向かう道に見えた新しい苗も、藁に包まれ、暖かくなる日を待っているようでした。
試飲させていただいた”エステートシリーズ”
「竜眼」「シャルドネ」「メルロ」「シラー」。
以前東京のお店で普通に飲んだ時には感じ得なかった、驚く程の温かみを感じました。
雪とブドウの樹の塩尻を歩き、塩尻の冬の寒さを体感したからこそかもしれない。
飲んだ瞬間、冬のぽかぽかな鍋、それに合わせたい同じ温度を感じるワインだと思いました。
「塩尻=冷涼な味わい」というのはただの恥ずかしい思い込みでした。
キレキレなワインではなく、果実が豊かでした。
衝撃でした。
フラッグシップとも言える、自社農場の最高級メルロをフレンチオークで熟成させた「桔梗ヶ原メルロ」、エステートシリーズ、一升瓶ワイン、貴腐ワインからブランデーまで幅広い造り。
一升瓶ワインのヴィンテージごとに味わいの変化があれば気付くという、地元の人。
ワイナリー内には大きな機械やタンクを備え、100軒もの農家さんともしっかり関係を築きながら価格帯に応じた五一わいんさんのワイン造りは安定した生産量。
ワインが、ビジネスや人の集まる所だけでなく、ブドウが生まれるその地に愛され消費される。
長い歴史だけでなく、遠く離れた千葉でも、ファンが根付く造り手の1つが、五一わいんさんです。
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