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田面ライダーがやってきた

✍️書いた日 2023.07.08



田植え2ヶ月後の稲
田植え2日後の稲



田植えの時は、一箇所あたり、
だいたい2〜3本の株を植えます。

そして、田んぼに植った株が根付き、
根本から新しい茎(くき)を生やし、
イネは「分けつ」を繰り返します。


思い返されるのは一年目の光景。
あむはむ妻が一人で始めた、
無農薬稲作初年度には、
雑草に栄養を取られてしまって
まったく分けつが進まず。
お米の収量もスズメの涙ほど、、、
それはそれは、寂しい田んぼでした。

田んぼ画像のようにしっかり分けつして、
株の本数が増えているのは、
田んぼ雑草に負けずにイネに栄養が届いている証です。ほっ。

ーーー

一方で、この分けつは
進めば進むほど良い訳でもないようです。

植物は往々にして、
生命の危機を感じたときに
子孫を残すために種をつけます。

あんまり悠々自適な環境が続いても
葉っぱばかり繁らせて、
種(お米)を実らせてくれないそう。

よって、この時期になると
一旦 田んぼの水を落とて、
土壌を乾かす「中干し」を行います。

しっかりと田んぼを乾かすことで、

・過剰な分けつを抑えて
 しっかりと実りある収穫に繋げられる

・嫌気性のメタンなど有害ガスの発生を抑制することで、
 根っこが弱ることを防げる

・田面が乾くことで、稲刈りのとき
 重たい機械でも
 安心して作業に入れるようになる

稲の実りにとっても、作業性から見ても
利点を期待できるひと手間です。

ーーー

しかしながら、
土の表面がひび割れるほど
田んぼをカラカラに乾かす中干し。

有り難い効果がある一方で、
田んぼの水のなかで暮らす生き物を
死滅させてしまう作業にも繋がってしまいます。

だから、オタマジャクシが成長しきる季節まで、
中干しを待つことも方法の一つ。

中干し後の田んぼで
カラカラに干からびたザリガニを見ると、

「気の毒に、ごめんね」「お、鶏の餌ゲット!」
「君たちも漉き込んで土の肥料にさせてもらうよ」と、
可哀想な気持ちと、前向きな気持ちが、入り混じる感じ。

水路も農地も繋がっているから、
ご近所さんと足並み揃えて
田んぼを乾かしつつ、
カエルたちの成長にも配慮となると、
つくづく米づくりは、
生き物たちの共同作業ということを
痛感します。

ーーー

さて、放っておいても
田んぼは都合よく乾いてくれないので、
水持ちの良い田んぼには、
「溝切り」のひと手間を施します。

この溝切り作業のため、
今年から我が家にやってきた
ニューヒーロー「田面ライダー」。

農機具って、謎にダジャレのネーミングが多い気がする…🙃

今までは手押しで作業していましたが、
「ライダー」の名前通り、
人間が乗って作業できるタイプです。

さぞ楽々になるかと思いきや、

🙍‍♂️「"めっちゃしんどい"が、"そこそこしんどい"に
  変わった感じかな。どっちにしてもジュルジュルの
  田んぼに溝入れるんは大変やね〜」

とのこと🤦🏻‍♀️

作業前に水を落とす時期とか、
天気と相談したり、
田んぼごとの具合を見たり、
溝切りをマスターするにも
まだ何年か掛かりそうです。

また雨が続くので、
溝切り作業も一旦お休み。

ちなみに中干し後の田んぼには、
秋までに再び水を引きます。

何気なく見ているご近所の田んぼも、
刻々と手が加わって、
変化していること。

観察しながら歩いてみると、
田舎の田んぼ道も
そう変わり映えしないとも限りません🌾🌾

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