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下北沢で会いましょう

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コワーキングスペース「ロバート下北沢」のオーナー・原 大輔が綴る、ロバート下北沢を作ったワケ。そこにはいろんなものが繋がっているストーリー。
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#佐賀県

【第10回】野生の証明〜不器用な男ですから〜

認知、集客のために、なんでもやった。トークイベント、ワークショップ、落語の会、そしてパンマルシェ。特にパンマルシェは好評だった。都内の名だたるパン屋さんを厳選して、夕方までに作ってもらって、そのまま羽田へ。(段ボール50箱!)福岡空港に到着して、レンタカーで店まで運んで夜中に陳列。その日の朝にオープンと、かなりの綱渡りで行っていた。朝にはもうお客さんの長蛇の列。正直ビビった。ここまで反響があるとは。。おおよそ200人くらいは並んだじゃないだろうか。 最初はクレームもいただい

【第9回】地方で回す「義理経済」

のっけから強烈な三河のじいさんの出会いもあったが、嬉しい出会いもあった。 こっちが呼んだのではなく、ふらっとやってきたと言った方が正しいのかもしれない。店に立ち寄った若者5人が自立していったのだ。 お茶の仕事がしたいと言ってた保母の女の子、民泊をやりたいと話していたショップ店長の女の子、独立して自分たちの名前でやっていきたい陶芸家夫婦。地元でプロダクトやグラフィックの仕事で独立したばかり男の子。そのだれもが1、2年で実現していき、いま活躍中だ。 独立することは困難を伴う

【第5回】場所を作ろうと思う

強烈な出会い話が下北沢からいきなり遠く九州の佐賀に飛んでしまったワケだが、これにはもちろん理由がある。 2014年くらいから仕事で、とある建設設計会社の2人と「パブリック・スペース」についてのお手伝いをさせてもらっていた。俺たちみたいに、グラフィックなど紙媒体中心のデザインをやるものにとって、都市や地域のことなんてほとんど考えもしない。しかも彼らは20年、30年先を見据えて思考している。こっちの仕事は1ヶ月、長くて1年くらいだ。想像できなさすぎて、途方に暮れた。最初はかなり苦