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ドラゴンズ選手層再確認〜どうなるトレード補強&ドラフト戦略?!投手編

オールスターブレイクもあっという間に終わり、気付けば後半戦が始まっていました。我がドラゴンズは前半戦を借金6の4位で折り返しましたが、勝負の夏は少しでも借金を減らし、なんとかCS圏内に留まりたいところです。

後半戦が再開するにあたりトレードや育成選手の支配下登録の話題もちらほら出てきましたが、ドラゴンズにも近藤弘基外野手を支配下登録するというニュースが飛び込んできました。

中日が育成・近藤弘基外野手を支配下選手登録
http://full-count.jp/2016/07/14/post38278/

右の外野手が不足するチームにとっては、育成契約ながら二軍で3本塁打を放つスラッガーのタマゴを、一軍で試すレベルに到達したと判断したのでしょう。早速オールスター明けに自身の支配下登録を祝う4号ツーランをかっとばしており、チームにとってフレッシュな新戦力が加わることは喜ばしいことです。

このように、トレード及び育成選手の支配下登録切り替えが7月末日に迫っていることもあり、各球団ともペナントレースの行く末を見据えながら、それぞれの弱点補強に向け策を練っている最中かと思います。また10月にはドラフト会議も控えており、来季以降の編成も見据えた上で、一、二軍の起用法にも注目しなければならなくなってきました。
今後ドラゴンズは近藤の支配下登録で打ち止めなのか?はたまたトレードで戦力の入れ替えはあるか?また来るドラフト会議に向け、現有戦力をどう見極めるべきか??

前半戦87試合の一、二軍の個人成績から、チームの現状を分析したいと思います。現有戦力の活用状況を推し量るために、投手は登板イニング数、野手は打席数を用います。各球団にとって、シーズンごとの登板機会及び打席数の配分を考えるのは非常に重要なことです。球団の懐事情に差はありますが、与えられるイニング数と打席数はほぼほぼ平等に与えられているので、勝利と育成のバランスを熟考しながら、各チームは自軍の各選手への「投資」を行っています。各選手の年齢も合わせて、以下でドラゴンズの選手層をnoteしていきたいと思います。

不足しがちな先発投手陣。層の薄さを配置転換で乗り切りオフのドラフトで即戦力を狙う?

まずは投手陣から。一、二軍の試合結果から先発投手と中継ぎ投手で分けてnoteしていきます。青い棒グラフは一軍での登板イニング数、オレンジの棒グラフは二軍でのイニング数になります。左から年齢順に並べています。

まず先発投手について。35歳以上、ベテランと呼ばれるにふさわしい先発投手はバルデスと雄太の2名になります。バルデスは当初怪我で出遅れましたが、復帰以降は中4日も辞さないフル回転で、チームで5番目に多い65回1/3を投げています。一方で雄太は今季二軍ではしぶとくローテを守っておりますが、一軍には一度も呼ばれない状況。内容も良くなく、後述する小笠原、佐藤など若手投手に優先的に登板機会が与えられているのを考えると、年齢的にも今オフ真っ先に整理対象に名前が挙がってきそうです。

34~30歳の中堅どころには一軍で先発ローテを張る投手が2名。復活した吉見、新外国人のジョーダンはここまで安定したピッチングを披露しています。ネイラーは右肩痛で離脱中で、まだ二軍戦にも登板できていないことを考えると、復帰はまだまだ先でしょうか。昨オフソフトバンクから金銭トレードで移籍の大場は当初中継ぎ起用されていましたが、5月以降は先発で起用されるようになりました。ただ二軍戦でも一度もQSを達成することができておらず、6/11以降登板機会がないことを考えると、今オフは首元が涼しいかもしれません。セプティモは前半戦最終戦に先発起用されましたが、5回で降板。外国人枠の関係もあり、今後は他外国人選手の調子に合わせて調整する形になるでしょう。起用法は引き続き先発となる見込みです。

29~25歳のレンジの選手はそろそろ戦力にならなければならない時期と言えます。エース大野は問題ありませんが、小熊は今季初完封を記録するなど一皮むけました。怪我で離脱する時期もありましたが、後半戦は再び一軍ローテに定着できるか。岩田、伊藤準の両右腕は、二軍のイニング数チーム1, 2位の投手です。ともにそろそろ一軍に定着できなければ、来季以降は今季の様に二軍での登板機会が与えられる保証はありません。伊藤は7/22に再び一軍に呼ばれ、まずは敗戦処理から先発のチャンスを掴みたいところ。

24歳以下の若手と呼ばれるレンジの選手は、二軍での登板イニング数に注目です。佐藤、野村、小笠原のドラフト上位組は二軍でも積極的に先発起用され、球団の期待の大きさが現れています。佐藤はすでに一軍での初勝利をマークし、小笠原は交流戦から一軍での先発起用の機会も増えています。フロントからのプレッシャーもあるかと思いますが、焦らず大きく育っていってほしいところです。西川は2011年ドラフト2位で指名された選手ですが、今季は先発機会わずか一度(*アマ戦)とチーム内の優先順位が低下中。まだ若いですが状況次第では切られる可能性もあります。川崎は育成選手として独立リーグに派遣中(*福島ホープス、2勝5敗7.29)。濱田達は自身初の開幕ローテ入りも怪我で離脱。若松は言うまでもなく、チームの大黒柱として二年連続の二桁勝利に向け驀進中です。

先発投手の層の厚さは、「QSが期待できる投手がチームに何人いるか?」である程度把握できると思います。現在のドラゴンズでは若松、大野、吉見、小熊、バルデス、ジョーダン、ネイラーの7人程度しかおらず、うち外国人が3人と日本人先発投手の層の薄さが目立ちます。雄太は二軍ですら期待できず、また岩田と伊藤準が伸び悩んでいるのを考えると、佐藤や小笠原らルーキーに期待せざるを得ない苦しい状況です。その状況を考慮してか、後半戦がスタートしてから、主に中継ぎ起用されていた阿知羅と三ツ間が、二軍で先発起用され始めました。チーム内での配置転換を試みていることからトレードでの緊急補強はないかと思いますが、今オフのドラフトでは、即戦力投手の上位指名は必須でしょう。最低でも上位で2名は有望な先発投手を確保したいところです。

質量ともに充実した若い中継ぎ陣。なにより不振の福谷・又吉の復活が最大の補強か

続いてリリーフ陣。まず一見して気付くのは30代以上が4名と少なく、若い世代でブルペンの屋台骨を支えているという現状です。もちろん若ければ若い程良いのかというとそういうことではありませんが、救援防御率がリーグトップと結果も出している点も考慮すると、ブルペン陣の構成は非常に理想的と言えます。以下で年代別に見ていきましょう。

35歳以上は岩瀬と山井の両ベテラン。ともにタイトルホルダーでありますが今季はここまでなかなか結果を出せていません。引退の二文字がちらつく岩瀬は後半戦、せめて左のワンポイントとして結果がほしいところです。山井は開幕当初は先発として起用されていましたが結果が出ず、中継ぎに配置転換となりました。ブルペン入り後は比較的安定した成績を残していますが、勝負どころで痛恨の失点を重ねるのは相変わらず。若いブルペン陣にとって彼ら両ベテランの存在は必要かと思いますが、まずは結果を出してほしいところです。

34~30歳は八木と浅尾の2名。八木は昨年「カープだけキラー」として復活しましたが、今季は開幕から怪我で出遅れ二軍暮らしが続いています。先発テストも行われましたがパスできず、今後は左のリリーフとして登板機会を得たいところです。かつてのMVP右腕浅尾も今季は怪我で一軍登板なし。二軍での調整が続いていますが、かつてのような豪腕を期待するのは厳しいか。若手リリーフ陣の調子次第では後半戦、一軍マウンドでその雄姿を見られるかもしれませんが、あまり期待しすぎるのも酷か。

29~25歳のレンジにはブルペン陣の主力が集中しています。抑えの田島を筆頭に、祖父江、又吉、岡田、福谷、小川と一軍で多くの登板機会を得ています。又吉・福谷は開幕当初はセットアップと抑えで起用されていましたが、失点することも多く現在は一軍と二軍を行ったりきたり。チームの浮沈には彼らの復活が必須でしょう。武藤は二軍ではある程度登板機会を与えられていますが、一軍昇格はなかなか叶いません。まずは二軍で無双することが先でしょうか。新外国人のハイメは一、二軍ともに登板がなく、「自称」166キロの豪腕をお披露目することなく日本を去ることが濃厚です。

24歳以下ではルーキー福が開幕から元気です。先発から中継ぎまで登板機会を与えられ、現在は二軍落ちしていますが実力の片鱗は存分に見せつけました。後半戦はリリーフとして一軍再昇格の機会を窺っています。二軍のブルペンで多く登板機会を与えられているのは阿知羅、三ツ間、金子の3名。前述の通り阿知羅と三ツ間は先発に配置転換となりました。金子はチームトップの登板数を誇るなどフル回転で、ウエスタンリーグ首位のチームのブルペンを支えています。2年目の浜田・山本、2013年ドラ1鈴木翔は二軍でも登板機会が限られています。鈴木翔は怪我から復帰直後なので慎重な復帰プログラムが組まれているだけかと思いますが、浜田と山本はどうでしょうか。特に独特の投球フォームが全く通用しなかった浜田は現在一からフォーム作り途上とのことですが、伸び代が見られない場合、ドラフト2位と言えどオフの整理対象に挙がる可能性も無きにしもあらずです。まずは今季中の二軍戦での登板を果たしたいところです。その他育成選手は四国ILに派遣されている岸本(*香川オリーブガイナーズ、2勝2敗3S2.73)以外は怪我などで登板機会がありませんでした。

中継ぎ陣は平均年齢が比較的若く、かつ成績も残せているのを見ると現時点でのブルペン構成には問題がないかと思います。現在活躍している世代から更に若い山本・鈴木・育成の岸本らが今季後半以降二軍で実力を積むと、層の厚みはぐっと増すように思います。トレードでの緊急補強は不要に感じる布陣ですし、ドラフトで獲得するならば下位で即戦力となる大学・社会人投手を1人程度補強するくらいでしょうか。選手層という観点からするとドラゴンズの中継ぎ陣は補強ポイントとしての優先度は、その他ポジションと比較するともっとも低いでしょう。不振の福谷・又吉に加え、怪我からの復活を期す岩瀬・浅尾らの復帰が最大の補強と言えます。

問題があるとすればブルペン運用ですが、それは別記事で詳細に紹介しておりますのでそちらをご覧ください。

投手編まとめ:先発投手の獲得が急務。1~3巡目以内で2人は獲得したいところ。リリーフは下位でもOK

投手編だけで結構長くなってしまったので、一旦区切りたいと思います。投手編をまとめると、まず先発投手の補強が急務ということが真っ先に挙げられます。QSを期待できる日本人投手が大野、若松、吉見、小熊と4人しかおらず、二軍からの突き上げもルーキー二人に期待するしかないほど頼りないのが現状。今年のドラフトは特に大学・社会人投手で人材が豊富な点を考えると、上位3巡目までに有望な先発投手を2人は獲得しておきたいところです。報道では創価大・田中正義を筆頭に、明治大・柳裕也らがドラフト1位候補に挙がっているようです。個人的には九産大・高良一輝を推していますが、3位で指名するまでには消えているでしょうね・・。

一方で中継ぎ投手は比較的人材に困らない布陣になっているため、獲得するのであれば下位でも問題ないかと思います。2013年の5巡目で獲得した祖父江のような指名ができればベターでしょうか。ここは他の補強ポイントとの兼ね合いにもなると思いますので、前述した通り優先順位は低いです。

次の記事で野手編と、全体のまとめをしたいと思います。

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