北谷球場

2017春季キャンプ直前!戦力振り返り&注目選手は?

2017年も早いもので、あっという間にひと月が経とうとしています。長かったシーズンオフも終わり、来週にはいよいよキャンプイン!このオフの補強と現時点での戦力を改めて振り返った上で、春季キャンプの注目選手を取り上げてみたいと思います。

総年俸2億UP!大盤振る舞いの外国人補強で底上げに成功か

2016年は19年ぶりの最下位に沈み、球団史上初となる4年連続Bクラスと相変わらず低迷期が続いています。その低迷期を脱するべく獲得したのはメジャー経験のある新外国人3人組。3Bのクリーンアップ候補ゲレーロ(1億5,000万)、先発リリーフ問わず活躍が期待される大型左腕アラウホ(8,000万)、そして豪腕セットアップ・ロンドン(5,000万円)です。昨年までは主にドミニカ共和国出身の年俸3,000~4,000万程度のどちらかというと「当たれば儲けもの」程度の外国人獲得がよく見られましたが、今年は落合政権から続くドミニカルートを断ち切ってメジャー経験のある選手の獲得に動きました。

また2016年ドラフト会議では、こちらのnoteでも取り上げたドラフト戦略にほぼほぼ則った理想的な指名を行っています。

2017新入団選手
外国人: ゲレーロ、アラウホ、ロンドン
ドラフト: 柳、京田、石垣、笠原、藤嶋、丸山、木下雄 (育成)
入団テスト: 岩崎 (育成)

2016退団選手
引退: 雄太、岩田、呉屋 (育成)、多村 (育成)
戦力外: 西川、大場、川崎 (育成)、中川 (育成)、石垣 (育成)
退団: エルナンデス、ハイメ、ネイラー、ナニータ、セプティモ

上記選手の入れ替えの結果、総年俸は約20億4,000万から約22億2,000万へと約2億のアップ。支配下登録選手68人、育成契約9人の合計77人で2017年シーズンに臨みます。

現有戦力おさらい:2017年の注目選手は?

それでは最下位からの脱却を目指す2017年、現有戦力77人を5つのグループに分けてチェックしてみたいと思います。春季キャンプ前で時期尚早ではありますが、とりあえず現時点での戦力確認であるとご理解ください。5つのグループは以下の通りです。

一軍主力: シーズンを通して一軍の主力メンバーとして期待される選手。
一軍サブ: 主力選手として通年の活躍は期待できないが、先発ローテの谷間や控え選手としての起用が想定される選手。主にベテラン選手。
二軍調整: 主に二軍で調整を行い、調子が良ければ一軍での出場機会を窺う選手。主に若手選手。
二軍育成: 数年後の戦力となるため、二軍戦の主力メンバーとして重点的に起用したい選手。主に20代前半の若手選手。
二軍待機: 基本的には二軍での出場がメインとなると予想される選手。主に育成選手。

それでは各グループの選手についてnoteしていきましょう。

■一軍主力
SP: 大野、吉見、若松、小笠原、バルデス、ジョーダン
RP: 祖父江、又吉、小川、岡田、田島、アラウホ、ロンドン
C: 杉山、木下
1B/3B: ビシエド、福田、ゲレーロ、高橋周
2B/SS: 荒木、堂上
OF: 大島、平田

上記選手は怪我や極端な不振がない限りは通年でチームを引っ張っていくべき選手だと思います。新外国人を除いては去年主に一軍メンバーとして活躍して選手ばかりで、彼らが最低でも昨年同様、さらに昨年からレベルアップした活躍が求められます。若手選手の躍進がない以上はこのメンバーの起用がメインとなるはずです。

■一軍サブ
SP: 八木、山井
RP: 岩瀬、浅尾
C: 
1B/3B: 森野
2B/SS: 谷
OF: 野本、藤井、工藤

こちらはあくまで頼れるベテラン選手として、一軍主力選手を補助する役割が求められるであろう選手たちです。投手で言えば先発の八木&山井はローテの谷間として、リリーフの岩瀬&浅尾は長いシーズンの中で調子が良い時期に疲弊しがちな中継ぎ陣を助ける役割が求められます。野手では森野、野本が代打の切り札として、また工藤は代走・守備固めのスペシャリストとしての起用が濃厚でしょうか。また彼らは若手選手の壁として機能しているとも考えられ、二軍調整/育成の若手選手はまず彼らのポジションを奪うのが第一の目標となります。一軍サブのメンバーはそうした若手の台頭により一軍での立場が奪われたとき、引退・戦力外の二文字がちらつく厳しい立ち位置にいるとも言えます。

■二軍調整
SP: 小熊、佐藤、柳
RP: 武藤、福、阿知羅、金子
C: 桂、松井雅
1B/3B: 
2B/SS: 溝脇、亀澤、阿部、京田
OF: 遠藤、古本、赤坂、友永、近藤、松井佑、井領

こちらは二軍戦の出場でチャンスを掴み、一気に一軍定着を果たしたいグループ。まずは二軍の主力メンバーとして結果を出し、一軍サブのベテラン選手たちに引導を渡すべき選手が揃っています。現有戦力の底上げ、ひいては今季ドラゴンズの躍進は彼ら若手選手の台頭にあると言っても過言ではありません。この中の誰が春季キャンプで強く存在感を示せるかがまずは見ものです。

■二軍育成
SP: 三ツ間、野村、鈴木、福谷、笠原
RP: 丸山、岸本、吉田 (育成)、木下雄 (育成)
C: 加藤
1B/3B: 石岡
2B/SS: 石垣
OF: 渡辺 (育成)

こちらは主に二軍が主戦場となるであろう若手選手のグループ。二軍で優先的に起用されることで実戦経験を積むのがまずは最優先と考えます。中にはかつてのドラフト1位や、報道などで一軍での起用が期待される選手もいますが、個人的には焦って昇格させるべきではないと考えます。一軍での実績がない選手が多いため (*福谷は先発転向を前提としている)、まずは二軍で将来の活躍に向けたベースをしっかり構築し、その過程でライバルとの競争に打ち勝った場合一軍での起用を検討するべきと思います。こちらも春季キャンプでの急成長に期待したいと思います。

■二軍待機
SP: 伊藤準、藤嶋、濱田達 (育成)
RP: 浜田智 (育成)、西濱 (育成)、山本 (育成)
C: 赤田、武山、藤吉 (育成)
1B/3B: 石川
2B/SS: 三ツ俣、岩崎 (育成)
OF:

最後に二軍待機のグループ。彼らは恐らく残念ながら一軍での出場機会がさほど(もしくは全く)与えられないだろうと思われる選手です。二軍での出場も限定的、かつ優先度の低い起用が濃厚だと考えます。その理由は怪我によるもの、実戦経験よりまずはプロ野球選手としての体力づくりを優先すべきと考えられるものから、これ以上選手としての伸びしろに期待できないなど様々です。育成選手以外でこのグループにいる選手は、二軍で相当目覚ましい活躍をしない限りは一軍昇格は厳しいのではと考えます。

以上現時点の現有戦力を振り返ってみました。以下一覧にしてみましたのでご確認ください。
(*赤字は左打ち/投げ。緑字は両打。グレー背景は育成選手。)

2017春季キャンプ振り分け発表!若手選手の台頭はあるか?

最後に先日発表された春季キャンプの振り分けについて見ていきたいと思います。

中日が春季キャンプメンバー発表 柳ら新人4選手が1軍、手術明けの小笠原は2軍
https://full-count.jp/2017/01/21/post55691/

■一軍:北谷
SP: 大野、吉見、若松、バルデス、ジョーダン、山井、小熊、佐藤、柳、鈴木、野村、福谷、三ツ間、笠原、伊藤準
RP: 又吉、岡田、田島、アラウホ、ロンドン、岩瀬、福、丸山
C: 杉山、木下、松井雅、加藤
1B/3B: ビシエド、ゲレーロ、高橋周、森野、石岡
2B/SS: 堂上、溝脇、亀澤、阿部、京田
OF: 大島、平田、遠藤、藤井、古本、近藤

■二軍:読谷
SP: 小笠原、八木、藤嶋、濱田達 (育成)
RP: 祖父江、小川、浅尾、武藤、阿知羅、金子、岸本、吉田 (育成)、木下雄 (育成)、浜田智 (育成)、西濱 (育成)、山本 (育成)
C: 桂、赤田、武山、藤吉 (育成)
1B/3B: 福田、石川
2B/SS: 荒木、谷、石垣、三ツ俣、岩崎 (育成)
OF: 野本、工藤、友永、井領、松井佑、赤坂、渡辺 (育成)

まず注目すべきは二軍調整二軍育成のグループの全若手先発投手が一軍キャンプに抜擢されている点。一軍主力の小笠原が怪我で出遅れている分、この中から何人が開幕ローテ候補としてアピールするか楽しみです。

野手では二軍育成の石岡が一軍抜擢。昨年のルーキーでは唯一一軍出場がありませんでしたが、このオフはアジア冬季リーグのウエスタン選抜に選ばれるなど首脳陣の期待の高さは折り紙つきです。また二軍調整で二遊間のポジションを狙う4選手も全員が一軍キャンプに選ばれるなど、競争の激化が予想されます。2,000本安打に残り39本と迫るベテラン荒木の後釜として最後まで一軍キャンプをサバイブするのは誰でしょうか?


以上、このオフの補強と現時点での戦力を改めて振り返った上で、春季キャンプの展望についてnoteしていきました。長いシーズンオフも終わりが見えてきて、いよいよ来週から春季キャンプが始まります。私もたまたま2/18に帰沖する機会に恵まれたため、北谷キャンプに足を運ぶ予定です。日程を確認するとDeNAとの練習試合だそうなので、その様子はしっかりチェックしてまたnoteしたいと思います。お楽しみに。


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