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興味の入り口の先

全く興味というものは素晴らしい力を秘めている。

興味が恐怖に勝つとき、人間は新しいドアを開くことができるのだ。

ただし、ドアの向こうがいつも素晴らしいとは限らない。

私が言いたいのは「興味」にそのような力がある。ただそれだけのことだ。

私が体験した押し売り風ビジネスを一つ紹介しよう。


⭐️夕方風船を持って歩く
くたびれた新入社員風のスーツをきた女性。⭐️

インターホンを鳴らすまでに、子どもが風船に反応するので注意が必要だ。インターホンの画像を見て子どもが飛び出していく可能性もある。風船は子ども感知機なのだ。

これは児童用高額英会話教材の紹介だった。
風船を子どもが受け取ってしまったらその話を聞くハメになる。
(子どもは風船に興味がある)

ここじゃちょっと資料を広げられないとモタモタ新入社員風がいう。

玄関の上り框まで入れてしまうと居座る。

夕方までなんの仕事も取れなかったような可哀想な若者の話を聞いているうちに、なんだかんだ1時間500円の英会話レッスンの予約をとってしまう。
とても好評の楽しいレッスンなので旦那さんはもちろんできたらおじいちゃんおばあちゃんも一緒にどうぞという。
(カモが増えれば増えるほど良い。親が反対したなどの断る理由も撲滅できる。)

(私は子どもの英会話レッスンにちょっと興味があった)

本当にそれだけだ。この日は。

予約さえしてしまえば教材を勧めることは一切なく
すんなりすごく嬉しそうにお礼をいってぺこぺこお辞儀しながら帰ってゆく。

とてもいいことをしたような気になる。

ところが

予約をした日に現れるのは別人だ。

そしてゲームを取り入れて豆知識を披露し、会場を「すごーい🩷」and「うちの子できるー🩷」みたいな空気で満たしていく。

とにかく楽しい!「子どもさん可愛いですねー❣️」「ちょっと才能ありますね❣️」とか褒めてくれるのがめちゃくちゃ嬉しい。

今考えたら3才に才能もなんもないわ!!


ちなみに覚えているのは
pumpkinは
パンプキンとは言わないで
本場では
パンキン!と発音します
というものだ。

「へえーっ!!」

って我が家ではなったよ!


レッスンが終わるとどうでしたか?と感想を求められる。

500円にしちゃかなり楽しませてもらった。もちろんみんなベタ褒めである。

相手は存分に褒めさせておいて
ここから一気に畳み掛けてくる。

教材についての説明が始まる。
これがレッスンよりはるかに長くてダルい。
でもさっき褒めちゃったから
なんか流れで教材褒めちゃう。
「へぇー!よくできていますね!」
「そうでしょ?今はすごいんですよ。高校生まで使えます。一年あたりで考えてみてください。安いもんですよ。」
「そうですねー。確かに!」
「でしょでしょ?」
「ですよね。ですよね。」
ウフフ。アハハ。

そして
書類を出して契約を促す。
今日だけです。特別です。



教材だけで40万!!


ここで一気に冷静になり
おかえりいただくことができたので
良かったけれど
なかなか引き下がらなくて
大変だった。

約束を取り付けるのは弱々しい人で
次に現れるのは猛者である。

たしか
「お布団クリーニング無料で
回っています」
っていうのもこのパターンだった。

この風船英語教材は
ちょうど噂が消えたくらいの
5年間隔くらいでまた回ってくる。
サーカス🎪みたいな人達だ。

この体験からちょうど5年後、今度は次男が家を飛び出し風船を受け取りに行った。

今度はくたびれたお兄さんだった。

「前回来てもらったんでもうわかってんですよ。40万は高いですよ。」
私は言った。

「いやぁ。そうですよね。ま、わかっててもいいですから。楽しかったでしょ?どうですか?次は5年後でお子さんももう大きいじゃあありませんか。」


それもそうだな。


私はまた申し込んだ。


今度は女の猛者が来た。


しかし私は覚えていた。

パンキンですよねー!
知ってまーす!!

フフン♪

2回目は危なくなかったです。

なんのはなしですか

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