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🌌銀河童伝説🌌

あるところにかっぱがいた。
かっぱの名はかっぱだった。
と言うのは、その村には河童はそのかっぱ1匹だったからである。
かっぱはただかっぱと呼ばれるだけで他の名を持たなかった。
かっぱもそれを何の不思議と思わなかった
かっぱは人間と仲良くなりたかった。
それで数々のいたずらをして人間に嫌われてしまった。
ある夜、村外れの池でカッパはしくしく泣いていた。
その姿を空の上から見ていたものがある。
かっぱの涙に誘われて、星はキラキラ光るのだが、カッパはそれを知るよしもなかった。
しかし、池の水面が星の光に照らされてゆらゆらと揺れ始め、どこからともなく優しい風が吹き始めた。
風は池の水面をさらに波立たせ、
それに呼応するように水面からぶくぶくと泡が立ってきた。
そこへ来て、ようやくカッパはあたりの異変に気がついた。
かっぱは泡立つ水面を凝視した。

ぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶくぶく
    ぶわぁぁぁあ
こ こ こ こ こ こ こ こ

突然、池から真っ白に光輝くかっぱが現れた。ヒカリ河童だ。
あっけに取られているかっぱに向かって、ヒカリ河童は話しかけた。

「どうして泣いているのかね」
(いきなり話しかけるヒカリ河童。良い子は#挨拶文を楽しもう。)

驚きで涙がすっかり止まってしまった。カッパは答えた。
「友達になりたいんです。人間と。」
「なのに、人間ときたら僕のことのけ者にするんです。ただ遊びたいだけなのに。」

「それはかわいそうに」
「人間が悪いと言うのだね」

「そうです。私は1つも悪くない」

「……」
「私はお前の助けになりたいが、今のお前のような考えでは助けるわけにはいかないのだ。」

「説教なんかいらねえよ。このわからずや。1人の方がマシだよ。消えろ。」

かっぱはヒカリ河童に向かって石を放り投げた。そして再びまた大声で泣き始めた。

かっぱが投げた石はヒカリ河童の体を通り過ぎていった。

困ったようにヒカリ河童は言った。
「ではチャンスをやろう。私と鬼ごっこをしよう。私は水がある池に出現することができる。どんなに遠く離れた域にも出現することができるはずだ。ただあんまり遠くは試したことがない。今から三日三晩の間に、お前さんが私の手の届かないところまで逃げれば勝ちだ。私は歩いて必ず追いつき君の願いを叶える。」

「は?」
全く意味がわからなかった。
しかし、かっぱは他にすることもないので、この鬼ごっこと言うものに人生初挑戦することにした。

かっぱは、池からペットボトルに水をいっぱい汲んで、早速出発、森林を、砂漠を、荒地をどんどんどんどん進んでいた。

ペットボトルの水が空になるたんびに、どこかで補給した。かっぱは頭の皿に水を補給しなければ弱ってしまう生き物だ。
砂漠でも夜と朝の寒暖差を利用して水を作ってどんどん進んでいた。
スマホを使えばなんだって調べることができるのだ。ちなみにかっぱの頭の皿はソーラー発電も行っており、コンセントを鼻に差し込めばスマホくらいは簡単に充電できる。

そして三日三晩河童は移動し続け、1つの池までたどり着いた。
ペットボトルの水は空だった。
こんな遠くまでこれば、もう大丈夫。

しかし鬼ごっこと言うのはこれで正しいのだろうか?
三日三晩ヘトヘトになりながら逃げ続けたけれど、光がっぱは1度たりとも姿を表さなかった。
なんだか妙な気分だ。
疲れたかっぱは寝てしまった。

きらきらきらきらきらきらきらきら
キラキラギラリン キラキギラリン

ええい!眩しい!まぶしすぎるわ!
かっぱは目覚めた。
すると、ヒカリ河童がそこにいた。

かっぱの負けだ。

「かっぱくん、私は池があるところには、どこにでも出現できるんだよ。ここはどこだと思う?よく見てごらん」

「あれ?」

そこは見慣れた池だった。

三日三晩の間走り続けて元の村の池に戻ってきたのだった。がっくりしょんぼり。

うなだれたかっぱにヒカリ河童は言った。
「君はよく頑張った。私は君が気に入った。砂漠の水補給はなかなかのもんだ。調べるやつはいるけれど実践するやつはなかなかおらん。」

「私がこれから言うことを聞きなさい。望みを叶えてあげよう。しばらくするとお坊さんのなりをした猫が来る。その猫について桃源郷へ行くのだ。それはどこだかわかりません。世界中の何の話だかわからない話がそこに集まります。その話を集めた経典をきっかり20、それから派生した経典をいくつか。猫の坊さんの村へ持って帰るのです。そうすれば私はあなたの願いを必ず叶えます。」

かっぱは暇だったので行くことにした。猫ぼうずはすぐに現れた。
歌ったり詩を読んだり踊ったり「この猫は本当にお坊さんかな?」と思ったけれど、お坊さんだと言うので仕方がない。ついていくことにする。

南へ北へ西へ東へ2人は旅をした。

いつの間にかっぱは歌ったり詩を読んだり踊ったりできるようになった。お経については特に覚えてない。どこに行ったら桃源郷があるのかさっぱりわからなかった。

2人は困ってしまって足を止めた。今どこにいるのかもわからない。

猫の坊主は懐からスマホを取り出した。
そうだGPS機能があったんだった!「そんなもんあるんだったらはよ出せや!」かっぱは思ったけど自分も持っていたので「その手があったか!」とだけいい、自分もスマホを取り出した。

スマホをみるとすぐに位置はわかった。しかしながら、スマホというものは一度開くといろいろ他にもみたくなってしまうものだ。
2人はネットサーフィンを楽しみ始めた。
「ちょっとこのYouTube面白い!」
「こんなニュースがあるよ。これは由々しき問題だ。」

あてのないような長い旅で2人は疲れたのだろう。その日一日中2人はスマホにかじりついた。

「何だこれは!」(岡本太郎)
「なんじゃこりゃあ!」(松田優作)

2人の声が重なった。

何の話かわからない話が大量にそこに書いてあったのだ。

驚きだ。桃源郷はスマホの中にあった。

2人は「なんのはなしですか通信20号までお気に入りに登録し、さらにどうでもいいか報告書、挨拶文を楽しもうなどを続々お気に入り登録してGPS機能を使って猫ぼうずの住む村へ帰っていった。

そこでは村祭りが行われていた。気のせいだろうか?みんなスマホを持っている。
村祭りでは2人の帰還もお祝いされた。経典も、経典と同時に持ち帰った帯やハンコなどの文化も皆を喜ばせた。
しかしちょっとよく観察すると、ネコミミ村にはすでに別ルートでその文化は到達していたようである。

気にしない気にしない。
だってお祭り楽しいもん。
ネコミミパパイヤカレーに舌鼓を打ったり、村の祭り会場をあちこちウロウロしているうちに、猫ぼうずとかっぱの周りは友達だらけになっていった。

そうして村祭りは終わっていった。
(⚠️まだやってます⚠️)

村祭りの間静かだった村の池が、祭りの終わりに突然キラキラと光輝いた。
ヒカリ河童の登場だ。

「どうだ。かっぱくん、友達はできただろう。」

「はいありがとうございます。」
かっぱは素直に言った。

かっぱは悟ってしまった。

どうでもいい話。何の話かわからない話。なんの得にもならない遊び。そんなものが友達を作るんだなぁ。
辛い旅のお供にはそんなことがとっても重要だなぁ。

ガッパが悟ったその途端、かっぱの体が輝き始めた。

空から星がたくさん落ちてきて、かっぱの体に降り注いだ。

そしてかっぱの体はみるみると光り輝きかっぱは気を失った。

みんなに覗き込まれてかっぱは目を覚ました。

ふとあたまに手をやると皿がない。

かわりにふわふわのネコミミがついていた。

天の河銀河の向こうにはこの時期に光り輝くアンドロメダ銀河をのぞむことができる。

あれは星々が連れ去ったこのかっぱのお皿である。

立秋が過ぎた頃空に浮かぶ河童の皿をあなたも眺めてみてください。それはそれは美しいですよ。

おしまい。

かっぱ祭り開催中♡
かっぱとねこの大冒険


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