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🏯無題PART5或は荒くれ者どもの統率🏯

さて、初出勤の時に猟銃で度肝を抜いてやったものの、それだけでは荒くれ者どもは黙っちゃいない。

会社を大きくする方法はもうわかっている。しかし大きくするにはこの荒くれ者どもの心を掴むことが重要だ。

男は行動にでた。
会社を徐々に大きくするため、今までなかったような仕事をどんどんとってくる。とった仕事は自分も汗を流して現場に出る。
職人どもを黙らすために、休みの日を潰して茶の湯を習い、京都にまで修行に行く。
ここですごくセンスがいりそうに思うが、「行く」というのが大事なのだ。箔がつく。例えそれがメッキであっても行かないやつにはつかないのだ。

ありとあらゆる方法で黙らせる。

そして仕上げに企画したのが

社員旅行だ。


社員旅行先に選んだのは美しい伊勢湾を眺めるとある場所だった。美味いものを食べ、酒をたらふく飲む。男だらけの職場ゆえ、夜になると半数以上は興味津々で船でとある島へ乗り込んだ。

そこでまたもやびっくり仰天である。

島の行く先々で、出会う人々が新しく来た上司に近付いて
「おや懐かしい!○○ちゃんじゃないか!」
と挨拶していくのである。
男女問わずだ。

「おーう!久しぶりやのう!
おとっつぁん元気にしとるかー?」

「ハハッ。そりゃ良かったー。」

「今日はよー会社の若い連中
連れてきたで、ようしたってくれよ。頼むわぁ。」

「俺はええ、ええ。そんなことよりのーあの子は元気かー。ほらあのようー。」

「そそそ!なんだぁ今日はいないのかー。よろしく言っといてよ。ほんじゃね!」

話が止まらない。

「一体この人どんな人?」

である。

びっくり仰天の光景を眺めた後、帰りの船に間に合うよう男たちは解散し、ぼったくりにあわずに各自の夜を楽しんだ。男達は新しく来た上司が、仕事にうるさいだけではないと認識し始めた。

ここから一気にこの男の統率力が上がったのはいうまでもない。会社もぐんぐん大きくなった。

さて、この秘密はどうもこの男の過ごした高校生活にあるようだ。全く人生何が役に立つかわからんもんだ。

今日はここまで。

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