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受験エリートに気をつけてほしいこと

医師には受験エリートが少なくない。
いや、東大理Ⅲは全員が受験エリートといっても過言ではない。
東大理Ⅲ類の小ネタをすこし。
この東大理科Ⅲ類入学者は、全員が医学部に進学するわけではない。
入学後はみんな勉強しないから、それに怒った教授陣が全員進学できないようにしたというのがその経緯らしい。

そして、理科3類から医学部に進学しない学生は生贄君と呼ばれる。
※入学後に医学よりも他の数学、物理、工学科、文学部などに興味を覚え、そちらにいく人がいるみたいだ。
理Ⅲから医学部に行かない学生もいれば、理Ⅱから医学部に進学してくる学生もおり、その学生は例外なく優秀のようだ。

理Ⅲの話はこれだけにして、受験エリートの大学入学後、そして医師になってからの注意点を書きたい。

思い通りにならなくても押しつぶされないように、対策を考える。
特に、精神面の戦略の立て方を知ることが必要!

受験エリートの医師は、親や教師から褒められており、自分の目標を定めてそれを叶えてきた人が多い。
しかし、医者として臨床をしていく過程で、彷徨っているなと思う研修医に出会うこともある。ここでは、その対策を考えたい。

①明確な目標を定めてもらう(相談して決めるよりも内的モチベーションで)
 医師になるまでは大学受験合格、国家試験合格などの明確な目標を定めて、そこにむかっていく能力は高かったはずだ。だが、医師になればその目標をたてることができないために、彷徨う。
そのために、指導医のわたしができることとしては、研修医の目標となれるように視覚化できるように頑張ることが必要だと考えている。
(指導医が口だけ言っても、行動を伴わなければ意味がない)
私は、内視鏡を好きなところアピールや講演会発表、論文執筆、治療・手技をしているところなどで目標とされるように頑張ることが心掛けている。

②ストレスを言語化してもらう
 もやもやしている、なんか不安という気持ちを言語化できていないケースは実に多い。言語化できれば、その問題点を認識できて解決策を提示することができる。
相談にのるときは、悩みは何かを聞き、それを言語化するのが第一歩であり、その問題提起から解決策を提示していく流れだとうまくいくことが多い。

③上達するその感覚が、内的モチベーションを高める
 試験点数が高くなる、偏差値が高くなる、合格予測判定が高まるなどはモチベーション維持に有効であることが経験でわかっている。
上達できるようなことをさせてあげられる、失敗してもすぐにサポートできる環境を整備することも必要。

④プランBも考えておく
 混乱することの多くは、想定していたことと異なることになった時である。 
内視鏡治療しているときに、想定外の出血や視野確保がうまくいかないことは多い。常に困難な状況を想定して、不測の事態の覚悟をしておけば、現実の世界では効果的に対処できる場合が多い。
専門医試験などの合否以外にも、希望した病院に就職できなかった、論文が通らなかった、科研費申請が通らなかったなどの状況はよくあることだ。
常に、もうひとつの未来も心に描いてもらう。
本来の計画がうまくいかなくても世界が終わるわけではない!
ことも心にいれてもらう。

⑤自己否定はさせない
 悩んでも物事は解決しない。ただ、考えれば、何かしら物事は前に進むことが多い。自分はダメだ、愚か者だと勝手に認定して、逃げるのではなく、改善させる。
言葉も
”やればできる” → ”やれば伸びる”
”しなければならない” → ”しよう、したい” 

と変えてもらう。

そして、最後は精神論になるが、頭を冷やす深呼吸休息も必要だ。







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