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腰痛に悩む人は多いが。。。

私は消化器内科だが、腰痛に悩む人は数多いことを知っている。
私の消化器内科外来で、「整形外科へ紹介してほしい」「腰痛があるから湿布をだしてほしい」などの依頼はよくある。
腰痛の医学的疾患としては、急性腰椎症(いわゆるぎっくり腰)、椎間板ヘルニア、すべり症 内科的には膵癌、尿管結石なども鑑別にあがる。
しかし、器質的疾患がなくても、腰痛が続くことを珍しくない。

腰痛について書かれた本も数多く、今回は面白い本を知ったので紹介したい。

作者は、ひどい腰痛が続くことから3年間以上の間、数々の整形外科、整体、灸などの民間療法も含めて多くを体験し、その体験を記載している。

最終的には心療内科を受診し、そこで絶食療法に出会い、完治したという私小説である。
多くの本を執筆されているので、腰痛に関する表現力を含めて面白く、とく絶食療法については興味深かった。

ここでは絶食療法という民間療法で治癒されたが、実は絶食療法は炎症を落ち着かせることは知られている。

私は消化器内科として炎症性腸疾患の患者さんの治療にあたっているが、特にクローン病は絶食は効果がでやすい。消化器疾患だから当たり前だと思われるかもしれないが、潰瘍性大腸炎には絶食療法はあまり効果がない。
その理由として、サイトカインという炎症性の反応物質の流れが異なることがいわれている。事実、クローン病と同じようなサイトカインの流れといわれている慢性関節リウマチも絶食療法は効果があるといわれている。
(ともに、抗TNF-αのインフリキシマブやアダリムマブは効きやすい)

私も絶食をすることがあるが(2-3日間 水分だけ)、調子がよくなることが多く、一度、腰痛がある人は試してみてもいいかもしれない。


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