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医学部での試験問題はどうあるべきか。

大学教員であり、試験問題の作成をすることが年に数回ある。
(6年生卒業試験、追試験、5年生総合試験など)
試験問題を作成するときに常に意識するのは、
もちろん医師国家試験問題であるが、
流用してはもちろんいけない。

問題作成するときにはまずその問題が以下に当てはまらないことを
確認して問題作成にとりかかる。

”してはいけない”
①医師国家試験問題、クエスチョンバンク問題集の流用
 医師国家試験の問題をそのままの流用では手抜きであり、盗用となる。
②過去作成したのと同じ問題
 過去問を入手していた学生、留年生に有利となる問題になるため、
 必ず新規の問題をつくる。
③学習していない内容
 授業や実習で経験した内容から出題するべきであり、全く関係のない
 自分の専門分野のマニアックな出題をするのは自己満足である。


”頭にいれるべきこと”
①医師国家試験問題の傾向は把握する
 ”してはいけない”に医師国家試験問題の流用をいれたが、医学生の最終的な目標は医師国家試験に合格して医師になることは忘れてはいけない。
そのため、医師国家試験問題につながる問題はつくらないといけない。

②倫理的な問題をいれる
 昨今は、医学生の振るまいがマスコミにでることがある。
当たり前ではあるが、それらを禁忌肢としていれておくことも考えている。
例)
・コロナウィルス感染リスクのあるなかでの飲み会に参加して感染
・病棟内での振る舞い(病室で飲酒していた)

③知識問題よりも考察を要する問題
 知っているかどうか よりも 
 考えているかどうかを 
 客観的評価にとりいれたい。

医学部は他学部より留年率が高い学部だ。
それも人の命を預かる職業であり、生半可な知識で医師になるのは問題に
なるからだ。
大学教育者として、留年者を増やしたくて問題作成をしているわけではないが、
このレベルに達していなければ、進級させることはできないなぁと思う学生も
数名いるのも現実だ。







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