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小腸の命名について

小腸は十二指腸、空腸、回腸で構成されていますが、内側(内視鏡)からみてその腸管の基本的構造(絨毛構造)にはほとんど違いはありません。

その命名の由来がおもしろいので、紹介させて頂きます。

十二指腸
胃の出口(幽門部)から指12本分の幅の長さといわれて命名されました。

空腸
解剖学的にはトライツ靭帯という部位で区別され、トライツ靭帯より口側が十二指腸で肛門側が空腸になります。小腸の長さは全体で5-6mあり、口側約40%を空腸と定義されています。
空腸の名の由来は、死体解剖を行った際に内容物が見られなかったことに由来します。ちなみに、空腸と回腸のはっきりとした境界はありません。
小腸内の食物残渣の通過スピードは早く、内視鏡造影をしたりすると数十秒で液体成分が大腸へ到達することもあります。

回腸
肛門側約60%を回腸と定義されており、回腸の末端は大腸につながっています。
回腸は回(曲がりくねった)腸という意味から名付けられたという説が有力です。

いずれも視覚的な命名法が由来というのは興味深いです。
小腸内視鏡やカプセル内視鏡が開発されるまでは、検査する方法がなく、病気もほとんどないと言われていました。(暗黒の臓器)
最近は、内視鏡検査の発達で様々な病気(小腸がん、小腸ポリープ、リンパ腫など)も発見されてきており、これからはそれらの治療も洗練されていくと思います。

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