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#三題噺 / 23964

2024/07/01

三題噺 という遊びを、知人に教えてもらって2年前にやりました。
本来はルールが色々あって、落語の遊びのようです。(今知りました。)
今回は過去作品の掲載とともに、同じテーマと当時のルールでもう一度書いてみようと思います。
過去→同じテーマの今、を交互に。

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当時のルール

・お題の単語を三つもらう
・その単語が含まれた文章を書く
・単語の登場する順番はなんでもいい。
・長さも問わない。

シンプルです。

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#三題噺 20221122
狐/過去問/帽子

fi tu de da an ti c.
si de tu rid tizie li c a.

堕ちるならせめて正しくあれ。
この自堕落が許されるものであってくれ。

shefira, tiel da ticarowe si la tic alt an?
si ah cu da ridrow tic.
si ah
si ah
si ah
fiu ah rid la z ?

慣習に沿った受け答えをするのは吉か狂か。
過去問を解くかのように会話を説いていく。
私は
私は
私は
まだ許され続けているのか。

si rid(a) tiel,
fi si rid(a) tiel(e).

報われるな、
報われないでくれ。

火縄銃で殺された狐を
片目を抉られた魚を

si lu da ridal sih.

何処へも行けない君を思う。

平等でないことの
天秤の傾いた下側を
私に向けないでくれ。

頭蓋を覆う帽子を
きり開くという想像。
きみの臓腑や感情が
そこからこぼれ落ちて仕舞えば良いのに。

_

#三題噺 20240701
狐/過去問/帽子

da scra

アデニン、チミン、グアニン、シトシン。
ひたすらに並ぶそれらを見つめている。
私など、ただの羅列だ。
ただの羅列だ。

_seigousei_

私に残された時間を数える。
きっと何もかもが間違っているのに。
犯し続ける。
ほんとうのことよ、
と、
つぶやいた声はすべて掻き消されて、
また音分子の配列に戻っていく。

_生合成_

面がかくすのは顔の配列だけで、
きみの惑いも罪悪感もすべて、
それは触れさせられた皮膚の隙間に入り込んでくる。
そのほうが尚、
きみという満たされない
私を犯し続ける装置_organ_を、
その構造を浮かび上がらせて。
狐。

_性追う性。_

ねえ、
どうしたらよかったの。
と、
態とらしく

今度は帽子で頭皮のすべてを
覆ってしまったきみに問う。
きみも何かに覆われていないと
自分を隠してしまうのね。
女。

_点と線_

過去問うた問いの答え合せを、
盲目のままに取り仕切っては、
結局本能のままに、
溺れてゆくのです。
口だけの誓いなど。

_静音声_

da scra

_

_#三題噺 20221123
人形/初雪/足首

孵化と継承。
或いはただの理想。

si od, ah cu, da quel ah mer.
si nir. nir. ah sih a sih e.
終の終へと向かう途中に
僕らは惰性で立っているだけ。

歩くことすら、
嘆くことすら、
愛すことすら。
唯、口を出すのは下賎だ。
da sih.
da lab.
da as.
ridal ron erdo.

如何してあなた方は私を見る
どうしてあなたは私を見る。
全ての人に目を合わせ
全ての人と目の合わない人形
虚なだけだ。

si sya tic.
これが胞子なら死んでいるぞと
飽和した初雪が詠う。

さようなら。

孤独が声を凍らせるなら
酷く激痛をはらんでいてくれ。
死のうか。
それすら思わないほど
末端さえ
僕らから奪ってはくれないだろうか。

肺を
tiel(a) tu ron od.
ah sih a sih luz od.
声を、
ridal rone.
rizroh ti e.
左足首は
az bacalt.
ridal,
まだ足枷に囚われていて、

_

_#三題噺 20240704
人形/初雪/足首

Da scra

区切られたもののことを、人はセルと呼びました。
足音が聞こえる。
それは私の脳内の作り出した音楽でないと、誰が証明できるのでしょうか。

_禁じているというのに未だ、どこかで死ねると信じている_

所詮は作り出されたものたちが、
その実験が閉じられるまでの間に、
その訪れすら終の終まで判らずに、
未知を少しずつ定義し続けているだけなのでした。

初雪を初雪と呼べるのは、
いつかの雪を知る者だけなのです。
それなら、
それは虚偽ではないのでしょうか。

嘘から逃れる唯一の方法は、
初めてを失ったものが、
誰かの初_sho_を定義するとき。
それだけなのでした。

_自己卑下と救いを求める祈りがひとつになった歌が聞こえる_

混沌とした景色にさらわれていく残響を、
足首までを浸している黒い水の冷たさだけが受け取っている。
_知識の海の成れの果てのようだ、
と、思ったのでした。

未だ光は私から奪われてはいませんでした。
その全ての分子を、
奪ってしまうほど、
神は私に興味などなかったのです。

_高揚とは苦痛なりや?_

痛みで眠れない夜も、
私にしかわからない夢も、
他人_dareka_の所為にして、
歩みを進める。

夜、花が散る。
電気椅子の上で平然と、
鎮座した私は既に世界における人形と
呼ばれるものなのでした。

Da scra

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