ガソリンスタンドの油外収益を伸ばす方法!差別化集中戦略の実践事例
■中小企業白書が示す競争戦略の類型とは?
ガソリンスタンドの経営者や店長の方は、油外収益を伸ばすために頭を悩ませているのではないでしょうか。業界外の方向けに説明すると、油外収益とは、ガソリンや軽油などの燃料油以外の商品やサービスから得られる収益のことで、タイヤやオイル、洗車などが代表的な例です。燃料油の価格や需要が不安定な中、業界は油外収益で利益を確保しようとしてきました。
しかし、油外収益がなかなか伸びないガソリンスタンドも多数あり、有効な戦略の策定が必要です。では、どのような戦略をとるべきなのでしょうか。中小企業庁の2020年版「中小企業白書」では、中小企業の競争戦略を以下の4つに分けて分析しています。
① 差別化戦略:他社とは異なる付加価値や特徴を持った商品やサービスを提供することで、業界全体の顧客のニーズを満たす戦略
② コストリーダーシップ戦略:低コストで商品やサービスを提供することで、業界全体の顧客を取り込む戦略
③ 差別化集中戦略:特定ターゲットに対して、他社とは異なる付加価値や特徴を持った商品やサービスを提供することで、その特定ターゲットのニーズを満たす戦略
④ コスト集中戦略:特定ターゲットに対して、低コストで商品やサービスを提供することで、その特定ターゲットを取り込む戦略
そして、上記の戦略のうち、③の差別化集中戦略の効果が高いことが示されています。
■差別化集中戦略はなぜ効果的なのか?
前述の2020年中小企業白書では、差別化集中戦略を採る企業の営業利益率が最も高く、付加価値労働生産性も高い傾向にあることが示されています。
営業利益率=(営業利益:売上高から売上原価、販売費および一般管理費を差し引いた額)÷売上高
付加価値労働生産性=(付加価値額:売上高から原材料ほか、外部から調達したモノ・サービスなどの費用を差し引いた額)÷従業員数
つまり、特定の狭い市場に対して、他社とは異なる付加価値を提供することで、競争優位を築くことができるということです。
これをガソリンスタンドが油外収益を確保する戦略に応用すると、あらゆる油外商品を販売しようとするのではなく、ある特定の油外商品に特化することが有効と言えます。
タイヤに集中するのであれば、タイヤがすり減った車に乗る顧客をターゲットとして、差別性のある取組みを行うということですが、これを実施してタイヤを大量販売したガソリンスタンドの事例をご紹介します。
■タイヤ販売に特化したガソリンスタンドの成功事例
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