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埼玉県経営革新デジタル活用支援事業補助金:対象者とスケジュールを徹底解説!

1.はじめに


 これまで、このnoteでは経営革新計画の承認を取得した事例をいくつかご紹介してきました。

 埼玉県では経営革新計画の承認を取得することで、補助金の申請をすることが出来ます。2024年6月3日から申請受付が始まっていますが、より多くの方に当制度を理解・活用していただくことを目的として、今回から2回に分けて、当補助金の公募要領に基づき、当制度の内容について述べていきます。

 なお、当記事ではポイントのみを拾っていきますので、詳細な情報に関しては、下記サイトからダウンロードできる公募要領やQ&Aをご覧ください。

2.当補助金の対象者

(1)業績が低下していること

 令和3年12月以前における特定の3カ月の売上高よりも、令和4年1月以降における特定の3カ月の売上高が低下している事業者が対象になります

 なお、「比較される令和3年12月以前の3カ月」と「比較する令和4年1月以降の3カ月」は任意で抽出することが可能です。また、この3カ月は連続している必要はなく、「比較される令和3年12月以前の3カ月」と「比較する令和4年1月以降の3カ月」が同じ月でなくとも構わないとされています。

 さらに、売上の低下理由は原油価格・物価高騰などの影響であること、比較される3カ月は原則として令和3年12月以前の1年間、減少幅は10%以上という制限があります。

 なお、売上高でなく付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)も対象となり、この場合は15%以上の低下が条件となります。

(2)経営革新計画の承認取得者

 令和5年10月2日(月)から令和6年9月30日(月)までに、埼玉県から経営革新計画の承認を受けたか、受ける見込の方が対象です。当補助金の内容が経営革新計画に盛り込まれていない場合は対象外ですので、これから当補助金を活用する内容の経営革新計画を作成し、期日までに承認を得る見込みが立てば、対象者になり得ます。

(3)補助金制度に沿った経営革新計画であること

 立案した経営革新計画には、デジタル技術を活用した新サービス・新製品の開発、効率化による生産性向上、販売促進などが盛り込まれている必要があります。この「デジタル技術」には以下が含まれているとされます。

  • IoT(Internet of Things:モノのインターネット)

  • ビッグデータ

  • AI

  • ICT(Information and Communications Technology:ITを拡張した情報通信技術)

  • RPA(robotic process automation:事業プロセス自動化)など

 ただし、デジタル技術そのものに係る経費だけでなく、上記の目的を達成するために支出することとなったデジタル以外の経費も対象となります。

 Q&Aでは、その例として「製品の販売促進を目的にホームページを新設する場合、その制作費用だけでなく、サーバールームの建築工事費用(建物費)なども補助対象となります」とあります。

 とはいうものの「補助金の審査において、デジタル化に係る経費の方が、配点が高くなります」という記述もありますので、可能な限りデジタル技術に直結する経費を盛り込んだ経営革新計画にすることが、採択の可能性を高めると言えるでしょう。

3.経営革新計画とは

 前述のとおり、当補助金は経営革新計画の承認を取得する必要があります。この経営革新計画とは、中小企業が中長期的な視点で「新しい事業活動」に挑戦し、成長を目指すための経営計画です。ここでいう「新しい事業活動」とは以下の通りです。

  • 新商品の開発:これまでに提供していなかった独自性の高い新しい商品を開発する。

  • 新しいサービスの開発又は提供:サービス業が、これまでに提供していなかった独自性の高い新しいサービスを開発し、市場に投入する。

  • 商品の新たな生産又は販売の方式の導入:既存の商品をこれまでとは異なる方法で生産したり販売したりする。

  • サービスの新たな提供の方式の導入その他の新たな事業活動:既存のサービスをこれまでとは異なる方法で提供するなど。

  • 技術に関する研究開発及びその成果の利用

  • その他の新たな事業活動

 上記のテーマで計画を策定し、都道府県の審査を受け、計画が承認されると経営革新計画として認定されます。これによって、資金調達の円滑化や、販路開拓、ものづくり補助金審査の加点といった支援策が受けられます。

 計画の策定は、地元商工会や商工会議所の専門家派遣制度を活用すれば、専門家から助言を受けながら進めることができ、会員であれば費用負担はありません。

4.当補助金のスケジュール

  • 令和6年6月3日(月)~令和6年7月31日(水)までに申請する必要があります。

  • 同年の8月下旬に採択結果が発表され、交付決定の日から令和7年1月24日(金)までに、補助事業の実施・支払いを済ませる必要があります。

  • なお、繰り返しになりますが、これから経営革新計画の承認を得る方は、令和6年9月30日(月)が承認取得の期限となります。

5.まとめ

 今回の記事では、令和6年度埼玉県経営革新デジタル活用支援事業補助金について制度概要をお伝えしました。経営革新計画を作成し、承認を得ることで、中小企業は補助金の応募資格を得ることができるため、事業の成長や競争力の強化に大いに役立ちます。

 埼玉県内の中小企業で、デジタル技術を活用した新サービス・新製品の開発、生産性向上、販売促進などを目指す中小企業の皆様には、ぜひ当制度を理解し、積極的に活用していただきたいと考えています。

 次回の記事では、補助率や補助額、対象経費について詳しく解説していきます。

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