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読書感想会 2023/07/23

今日、私が紹介させていただくのは
ロシアの文豪 トルストイさんの『人生論』です。
人間の苦しみや恐怖、真の幸福についてなど
思想・宗教・哲学的なことが記されています。

少し内容を読ませてもらいます。

植物の幸福が光にあるのと同じように、
そういう人(あらゆる人に対する好意を解放した人)の
生命の幸福は愛にある。

だから、何によっても覆われていない植物が、
どっちの方に伸びるべきかだの、
光はいいものだろうかだの、
もっとよい別の光を待つべきではなかろうかだのと
訊ねることなく(訊ねるはずもないが)、
世界にある唯一の光を選んで、
ぐんぐんその方に伸びてゆくのと同じように、
個我の幸福を否定した人間は、
他の人々から奪ったもののうち、
何をどの好きな人たちに返すべきかだの、
現に要求を主張しているこの愛より
何かもっと立派な愛はありはしないかだのと
詮索することなく、
自分に可能な、自分の前にある愛に、
自分自身を、自己の生存を捧げるのである。
このような愛だけが、人間の理性的な本性に
完全な満足を与えるのである。

とあります。

今回この部分を読ませてもらったのは、
例えが上手く、直観的だと思ったからです。
ここで私の言う直観とは、
心でただちに感じ知る『直感』ではなく、
対象を直接に知的に把握する『直観』です。

この『直観』について、そのままに正しく認識する
と言ってもいいかもしれませんが、
抜粋した文章の
「植物の幸福が光にあるのと同じように、
 そういう人の生命の幸福は愛にある。」
とあるように、シンプルに
物事を捉えることができるように思います。

人間はしばしば大小、強弱、善悪など、
価値づけをしてしまいがちですが、
まず、正しい認識をする、というのが
私自身 心がけようと思っていることであり、
伝えていきたいことでもあります。

そのうえで 自分に可能な、自分の目の前にある愛に、
自分自身を、自己の生存を捧げる。

これは実際にしてみないと
感じることはできないかもしれませんが、
このような愛だけが、人間の理性的な本性に
完全な満足を与えるのである。と
トルストイさんは仰っています。

私自身の話で言うと、読書感想会や配信は
自己の生存を捧げていることの1つです。
そして、そこに満ち足りた気持ちがあります。
この満ち足りた気持ち、
愛から辿り着ける幸福を望む人に、
自分に可能な限り伝えていきたいと思わせてくれる
1冊でした。

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