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今はなき西光寺へ上がるための「西光寺橋」

 久しぶりに石橋を巡りに、またまた宇佐市院内町へ。

 国道387号線から、耶馬日田英彦山国定公園内の「岳切(たっきり)渓谷」へ上がっていく県道27号線の途中に「西光寺橋」はあった。

 県道27号線に沿って流れる「院内川」には、この他にもたくさんの石橋が架かってはいるが、この橋が最古だ。

 辺りを見回すと、土壁の納屋か何かが見え、何とものどな秋の風景だ。

 この橋は、作られたのが江戸時代末期ということだけで、作った人も分からないらしい。

 もともとは、西光寺へ向かう参道として使われてきたようだが、今はもうその西光寺もない。

 江戸時代の架橋で人しか通れないため、今はその上側にコンクリートの橋が渡してあるが、梯子を降りると渡ってみることができた。

 下の谷川は深く、欄干もないので、渡るのにも勇気がいる。

 昔は、みんな平気でこの上を渡ってお参りしていたのだろう。

 橋の造りは、輪石がきれいな四角に加工して積まれている他は自然石の石組みで、実に素朴な風合いだ。

 四角に加工された輪石も、そのサイズは一定ではなく、大きさも実に様々である。

 よくこれでアーチ橋の一番重要なアーチ部分が組めたものだ。

 流石にアーチ中央の要石は一番大きな石が使われているが、その左右の石の何個かも大きな石が使ってある。

 現在橋の袂はコンクリートで補強されているが、元々は川面からずい分高い所までがっちりとした橋台が組まれていたようだ。

 深くて大雨時には急流と化しそうな谷川だが、この土台ならばそう簡単に崩れることはなかっただろう。

 この橋から遡って「岳切渓谷」に寄ってみたが、紅葉の時期はまだまだ先だった。

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