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3、心配性という特徴

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター・精神保健研究所/知的・発達障害研究部・流動研究員/科学研究費助成事業 研究成果報告書「日本人の集団維持戦略と向社会的行動に関連する遺伝子多型の関係の解明」より

集団維持のために過剰に適応的行動を選択
ヒトにとって集団を維持することは生存および発展に不可欠であり、向社会的行動は集団を維持する上で重要な戦略のひとつである。日本人集団では欧米と比較して不安障害のリスクが高く、共感性が乏しい遺伝子型を持つヒトが多い本研究の結果日本人集団に多い遺伝子型を持つ方が向社会的行動をとりやすいことが分かった。一方でこれらは不安を感じやすい群でもあり、集団維持のために過剰に適応的行動を選択している可能性がある

(5-HTTLPR)と(rs53576)の癖が凄い
向社会的行動における重要な資質には感情調節、共感能力、利他主義などが含まれる。セロトニン、オキシトシンの輸送体や受容体の遺伝子多型(DNA 配列の個体差)はヒトの感情調節や共感能力に影響する。例えば脳内のセロ
トニン濃度を調節するセロトニントランスポーター遺伝子(5-HTTLPR)には S と L という対立遺伝子(アレル)がある。S アレルを持つヒトは L アレルを持つヒトに比べてうつ病や不安障害のリスクが高い。一方、オキシトシン受容体遺伝子(rs53576)多型には A アレルと G アレルがある。オキシトシン受容体遺伝子は共感能力の個人差との関連が報告されており、A アレルを持つヒトは G アレルを持つヒトよりも他者に共感しない


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