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1、乾燥耳垢という特徴

■(平成18年1月30日)科学技術振興機構報 第248号:ヒトの耳垢型がABCC11遺伝子の一塩基の変化で決定されることを発見 より

・ヒトの耳垢型は、湿型と乾型があることが知られており、乾型は、特に日本を含む東北アジア地方で、湿型よりも頻度が多く、日本では70~80%が乾型。
・乾型耳垢は、北アメリカ、南アメリカの先住民族にも認められていて、過去に民族が広がっていったことを示す証拠の一つ。
・ヨーロッパ人、アフリカ人では、ほとんどが湿型で、ヒトは、もともと湿型の耳垢であったと推測される。
・耳垢型は、湿型が乾型に対して優性で、最も認知しやすく、最も単純な遺伝様式をとる形質のひとつ。
・研究チームは薬剤耐性遺伝子として知られていたABCC11遺伝子が、耳垢型を決定している遺伝子であることを発見。
・ABCC11遺伝子の機能的な違いが、耳垢型の判定で可能であれば、耳垢型を何らかの薬剤効果・副作用の違いを予測する基準のひとつとすることができる。
・ABCC11遺伝子が、どのような薬剤の代謝に関係しているのか、興味のもたれるところ。

耳垢遺伝子の出現率 乾=茶 湿=青


■日経電子版「耳かきで分かるあなたの先祖 意外な勢力図」より
・日本では7割から8割までがカサカサな乾型。逆に、欧米ではネバネバな湿型がほとんどで乾型はあまり見られない」
・世界では湿型が圧倒的に多く、乾型は東アジアに偏在している。乾型はとりわけ黄色人種によく見られる特徴で、耳かきを使った耳そうじは、世界でも東アジアを中心とした地域に限られる。
・中国北部からやや離れた日本の平均は7~8割程度。タイでは7割程度、インドネシアでは5割程度、カザフスタンでは4割程度となり、ヨーロッパまで行くと1~2割程度に下がる。そして、さらに遠方のアフリカや南米では5%を切る。

マイコード「ミトコンドリアDNAでたどる日本人のルーツ」より

■かつて、アフリカで誕生した人類の祖先は世界各地に広がり、黒人、白人、黄色人などに分化した。そのうちの中国北部にいた黄色人の中から乾型の耳あかが生まれた。【耳あかの種類を決める遺伝子を発見した北海道医療大学の新川詔夫学長の仮説】


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