【silentを観て、ふと思い出した】

どうも。
ちょっと長いんですけど、読んでくれたら嬉しいです。



唐突だけど、毎日、なんかの拍子にふと思い出すことってある。
僕の場合、ドラマとか映画とか、はたまた楽曲とかからインスピレーションを受けた時に、過去の思い出を思い出すことが多い。


今日は、『silent』というドラマの第一話をTVerで観ていて、思い出した。
終盤のシーンで泣けると話題のこのドラマなんだけど、過去の思い出を思い出したのはその話題のシーンではなく、主人公の学生時代のシーンだった。





川口春奈さん演じる主人公が目黒蓮さん演じる学生時代に付き合っていた当時の彼氏と会話する冒頭のシーン。その主人公の言動が、僕が前に好きだった女の子にすごく似ていた。


すごく元気いっぱいでどんなことでも笑って喋ってくるそんな様子がすごく似ていて、名前を呼んでくれることが嬉しかったなあと思い出し、その好きだった子が川口春奈本人に似てるんじゃないかとさえ思わされた。



僕が今までで一番長く付き合ったのは大学時代、合計で2年半だった。その恋愛も右往左往あって、当時の僕を若かったなあと思うことも多い。きっと今まで好きになった女の子の中で、一番好きだったのだと思う。いや、間違いない。お金も時間も労力も一番尽くした。


それでも今日は、その一番好きだった女の子ではなく、高校時代に好きだった女の子を思い出した。



その思い出は、高校3年の時。僕は高校まで自転車通学、その子も自転車通学だった。3年になって部活を引退して受験勉強へシフトしていた毎日で、僕の高校では夏休み明けに文化祭があった。


と、書き始めて思った。なんでその子と仲良くなったんだろ、そういえばきっかけはあまり覚えてない。


でも、多分たくさん喋り始めたのは文化祭の準備だった。夏休みだし、みんなは受験勉強してるだろうし、そんな中わざわざ汗だくになって自転車を漕いで、学校に行っていた。その時、その子のことを好きになっていたのか覚えてないけど、きっと気にはなっていた。




文化祭が終わってからは本格的に受験勉強。朝早く起きて、授業前に補習を受け、授業後も最終下校時刻まで学校に残って自習、その後は近所のマックへ行って23時まで勉強。今振り返ってもよく勉強したなあと思う。


でも多分そんだけ勉強できたのには受験じゃないところにも理由があって。その子も朝早くから学校に来て、最終下校時刻まで同じ教室で勉強してたし、たまに一緒に近所のマックへ行って、当時レシートの裏に印字されていたクーポンで100円のポテトとアイスコーヒーを買って勉強してた。

朝の補習は席が前後になることもあって、みんな眠そうだったけど、後ろの席にいるその子に振り返ってプリントを渡すこともたまに背中をシャーペンでツンツンちょっかいをかけてくることもあったので、僕は全然眠くなかった。



それに何より、登下校が楽しかった。
その子の家の方面は僕の家の方面と途中まで一緒だったので、行きの自転車を漕ぎながら、その子が前や後に漕いでないか毎日気にして登校していた。僕の方が漕ぐスピードが早かったので、少し遅れそうな時間に出発して、学校に着くまでに追いつけないかと何度試みたか。それで追いつけると、同じスピードで自転車を漕いで話すのが楽しかった。


帰りの時間はお互い最終下校時刻まで学校に残っていたので、必然的に同じ時間が下校時間だった。でも横並びで学校を出ることはなかった。一緒に帰るにしても、学校から少し離れたところでその子に追いついてそこから喋りながら帰った。僕は毎日2人で帰るこの時間が大好きだった。その時間と比例して、僕の気持ちも募っていった。



学校を一緒に出なかったのには、もちろん理由がある。彼氏だ。

その子の彼氏は、僕と同じ部活の友達だった。部活を引退してからは僕もそれほど話す仲ではなかったし、教室も違う階にあったので、彼氏とその子が直接話すところは確か1回も観たことない。でも、流石に彼氏のいる女の子と2人で下校することもそれを誰かに見られることも流石にできないと思った。もっと自分に自信があれば、臆することなくできたのかもしれないけど。



いや、きっと自信云々ではないのかもしれない。
その子と喋りながら帰っている時も、たまに彼氏の話が出てきた。その彼氏の話は大抵、向こう(彼氏)も受験勉強で忙しいだの、あまり喋ることもLINEが返ってくることもないだの、少しばかり愚痴じみたそんな内容だった。僕にとっては、惚気話ではなくむしろ愚痴話だったことが、その子の彼氏に対する好意が強いように思えて、僕はそういう相手には入ってないように思えて、話は合わせるけど内心は寂しかったのを少し覚えている。



それでもとうとう僕は気持ちが抑えられなくなって、というよりも気持ちを伝えても彼女になることはないだろうと現実を理解した上で、決断した。


ある日の帰り道、いつも通りその子と自転車で喋りながら、お互いの家への別れ道まで来た時、僕はその子に告白した。


〇〇○のこと好き。


何も返事はなかった。返事がないことはどこか察していたので、僕は僕が思っている以上に冷静だった。それに、もしかしたらその子も僕の気持ちも告白の雰囲気もなんとなく察していたのかもしれない。


ただ、伝えたかっただけ。じゃあ、また明日。

そう言って、帰った。そこからは自転車には乗らず手で引いて帰ったのを覚えてるなあ。なんでか月が大きく見える日だったのも覚えてる。


それ以来、仲悪くなる訳でもなく、お互いに受験勉強に励んでいたと思う。会話もそこまで変わらなかったように思う。

ただ、教室や自転車で僕の名前を笑顔で呼んでくれることは少なくなったなあ。まあ、そりゃしかたない。仲良くしてた人に告白されて実らなかったら、気をつかうもんだ。でも、やっぱり寂しくて。告白する前までの日常が楽しかったなあ、幸せだったんだなあと思った。


silent第一話の冒頭シーンの川口春奈さんと目黒蓮さんの幸せな雰囲気が僕の高校時代に感じていた幸せにリンクした。こんなリンクの仕方とか感情の共感とかって絶対ドラマ制作側の意図ではないけど、僕にはここが残った。


今になっては、良い思い出だ。



つらつらと書いてきて、僕はなんでこの高校時代の思い出を鮮明に覚えているんだろうって、思って考えた。


その子を好きになって告白した時、もしそこで僕の彼女になっていたら。付き合った後の思い出がたくさん増えていって、きっとそれはそれで良い思い出として残っていったんだろうな。

でもその一方で、告白した時の思い出って反比例するように薄れていくんじゃないか。


僕にとっては、実らなかった恋だったからこそ、あの時の幸せな気持ちや告白した時のことを、その気持ちや時間だけを、その子との大切な思い出として鮮明に覚えているんだ。実らないと分かっていながらも僕の無垢な気持ちだけをまっすぐに伝えた綺麗な思い出として、心に残っているのだと思った。


振られた悲しい記憶というよりも純粋だった僕、青春してたなあ!と今になって自画自賛。
あんま人に言うことじゃないけど、自画自賛できる僕の性格、嫌いじゃない。笑



と、まあ長々となりましたが、なんかの拍子にふと思い出すことってある訳で、また何かあれば書こうかなと思う。


皆さんは、ふと思い出すことありますか。


では。
あと、silent最後まで観よう。


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