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アホ春無し / 気になるあの娘 / 大人になる音
今気づいたけど、今年が学生最後の年だった。高校3年生である。ふつうの学生の真似をしてノロノロ生きた高校生活はきっとA4用紙1枚で足りてしまうような内容の薄さで、腸がじっくり煮えるような最悪な思いも、誰かの肌着を脱がしたりするような経験もせず、終わってしまう。青春がない。高校卒業まであと4ヶ月ほどあるがきっとそのような特大イベントは起きないし、もう終わったものだろうと無駄な2時間を汽車で過ごす。この2時間で人生が進展するわけではないと思うとやるせない。進展して欲しい。これ以上はみ出したくない。
ブルースカイで好きな人のことをポストしすぎている。好きな人は同じ学年で、わたしと同じように3月に卒業する。卒業するともう会えない。本当はお付き合いしたいと思っているが、お付き合いできるほどの関係では無いし、ありえない話だけどLINEを持っていないし、この片思いはひとりずもうにて幕を閉じるのではないかと予想している。話しかけられない。もしかしたら彼女にはすでに恋人がいるのかもしれないし、考えてすらいなかったがわたしの顔が嫌いかもしれない。声が嫌かもしれないし性格を嫌われるかもしれない。そう思うと話しかけることが出来ない。動悸がする。食事に誘いたいが、気持ち悪いだろうか。同性は嫌だろうか。次はLGBTの人と恋愛したい。
「大人になる音」というのが最近顕著に聞こえるようになった。勿論そのような音が「ピコーン」などとマヌケに鳴る訳では無いし、その度にわたしの顔は老けない。母に、「ま〜た子供みたいなこと言って」と呆れられて、母にとってわたしはもう子供の年齢じゃなくなったのか、と少しだけ驚いたことがある。その時も大人になる音がした。子供でいたい訳では無いし、大人はつまらないとは思わない。でも、時間の経過が速すぎて、内面が追いついていない。昔、わたしは大人びた子供だったが、今は所詮「大人びた子供」と同じ状態でありそれ以上成長していない。やっぱり子供でいたいかもしれない。今日は、履歴書を出す会社の求人票を読んで、適性検査ってなんですか?と進路担当の先生に質問して下校した。大人になる音がした。