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ダンディ?

久々に昔の想い出を

ハートカクテル、右曲がりのダンデイなどブレークした時代。
近所にかなり意識した年上のお兄ちゃんが住んでいた。
私たちは彼を「ダンディ」と呼んでいた。
いつも色とりどりのジャケットを着まわして、
自慢のロータスヨーロッパの横にはロングヘアーの女性を乗せていた。
マンションに住んでいたダンディは僕らも自宅に気軽に上げてくれる
気さくな人だった。
部屋の窓からは眺めがよく、居間にはカウンターがあって、
その横、奥の部屋には大きなアンテイークのテーブルがあった。

「テーブルの奥のクーラーに飲み物入っているから勝手にどうぞ!」
真っ赤なコーラーの自販機が置いてあってビンのコーラーやクアーズが
いつも冷えている。
みんなでカウンターに横並びに座り後ろの窓から
外を眺めるだけでも楽しくて仕方がなかった。
夏はよくここで大画面テレビの前で野球観戦をした。

やがてダンディは横に乗せていた女性とゴールイン。
僕らが通った部屋からも引っ越していった。

それから時代も代わりハートカクテルが懐かしいと思われるころ、
僕も大人になり
少しはダンディに近づけたかな?

そんな時、偶然にも声をかけられる
ダンディだ!
自慢のヘアースタイルは少し薄くはなったけど、ダンディは相変わらず
かっこ良かった。
彼の横には美しい女性がいる。
「ん?」
「違う、違う」
ダンデイは笑いながら
「娘だよ、勘違いしないでよ」
私たちはお互いに顔を見合わせて笑った。
#小説 #紳士#80年代#彼女#恋#愛しい
#昭和のストーリー

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