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【遊戯王】復帰勢がマスターデュエルで現代遊戯王をやってみた話


15回目のnote投稿となります。R・マリモフです。

普段は主にデュエルマスターズのシールド戦攻略記事を書いているのですが今回は番外編。

先月リリースされたデジタル版遊戯王ことマスターデュエルにてランク戦最高ランクのプラチナ1に到達し、その過程をTwitterで纏めたところ思いのほか反響があったので、再編集してnote記事に纏めておこうと思います。

遊戯王は約10年振りな復帰勢の自分が現代の遊戯王をどのように解釈していったのか、デュエマ勢の方も遊戯王勢の方も楽しんで読んで頂ければ幸いです。


1.とりあえず触れてみる

まず自分がマスターデュエルを始めて最初に組んだデッキはマドルチェでした。当時もリアルで組んでいたお気に入りテーマです。
自分の遊戯王引退後もちょくちょく新規が登場して強化はされていたようで、現代でもティアラミス除去の高性能さと3種類の1枚初動から8000点叩き込める火力の高さでちゃんと戦えるテーマとなっていました。

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マドルチェを昔回していた経験があること、カードゲームの基礎的な部分は心得ていることから、初心者も多いゴールド帯はするすると勝ち上がり、プラチナ帯までは難なく到達。しかしプラチナ帯突入後は明らかに手練な相手も多く、勝率が5割を超えれず頭打ちとなりました。

当時の自分のプレイングや構築も多いにあるでしょうが、この時点で他の環境テーマと比べた場合のマドルチェの力不足さを感じるようになります(現代遊戯王の知識が付いた今ならマドルチェでも勝率5割超えられる自信がありますが、この当時はうららの打ちどころすら知りません)。

しかし、感覚的には分かっていても解せぬ話です。
マドルチェが現役プレイヤーたちからtier外判定されていることも知ってはいましたが、1枚のカードプレイからボードを壊滅させたり、8000点火力を叩き込めるテーマであるにもかかわらず、何故環境ではイマイチと感じざるを得ないのでしょうか?自分が現役だった10年前からすれば信じられない話です。

一体何が他の環境デッキたちと違うのか?ここで改めて、現代遊戯王における"強さの条件とは何か?"について考察を始めることになります。


2.強さの条件の考察

現代遊戯王の環境で戦える強さの条件を考えるにあたり、自分が注目したのは以下の要素でした。

・"二の矢"が強いこと

現代遊戯王にて、初動が通ればそのまま勝ちまで持ち込めるのはもはや"当たり前"。全てのデッキがそうであると仮定するならば、勝敗に差が付くのはそれを防げる妨害手段の有無と、例え妨害されたとしても動けるサブプラン、所謂"二の矢"の存在です。

残念ながらマドルチェは性質上"二の矢"を放つのが苦手なテーマです。一方で、環境デッキと呼ばれるものの殆どは"ニの矢"がかなり豊富だったり、初動以上に強い動きがあることに考察していく最中に気付き、まずそれがマドルチェと環境デッキとの致命的な差の一つであると感じました。

・後攻でも戦えること

多くのカードゲームがそうではありますが、特に遊戯王は先攻が圧倒的に有利なゲームです。さらに現代ではアルティメットデクレアラーやロンゴミアントを代表とする、質の高い先攻制圧カードの存在がその風潮に拍車をかけています。
一方で、そうした環境デッキ同士が何十回と対戦する場合、先攻制圧をいかに決めるかよりも後攻の時にどれだけ抗えるのかで最終的な勝率は大きく変わるとも考えました(仮に先攻だけ絶対勝てても、勝率は50%ですからね)。

かと言って、壊獣やライストのような後攻ありきのカードを採用しすぎても今度は先攻での動きが鈍るので本末転倒。理想的なのは先攻でも後攻でもある程度のバリューが期待できるカードを採用できる事と考えました。

・デッキの再現性が高いこと

デッキの再現性は他のカードゲームでも強さの指標となる要素ですが、遊戯王の場合はそれらとは少し毛色が異なると感じました。

というのも、遊戯王は概ね数ターンで決着が付くことから、試合中に手札になる(ドローする)のはせいぜい5〜8枚程度で、これは圧倒的に少ない枚数です。例えばシステム上、デュエマは最低でも10数枚、MTGはマリガン込みでそれ以上の枚数に触れる機会があります(しかもどちらも4積み可)。
遊戯王はサーチカードが多いですが、逆に言えばサーチしづらいカード(うらら等)は試合で触れる保証が無いどころか、触れない試合の方が絶対多いわけです。

故に、デッキの再現性の確保は遊戯王の場合、他のカードゲームとは圧倒的に重要度が異なると感じました。
マスターデュエルのランク戦がサイド無し一本先取の所謂BO1なこともあり、麻雀でいう"聴牌"に近い状態を毎試合初手の5枚で持てるかが勝率にダイレクトに影響すると考えました。


纏めると、

①二の矢が強く、
②ある程度先攻制圧に抗え、
③再現性が極端に高い。

以上が現代遊戯王にて、環境を勝ち進めるためのデッキの条件であると自分は分析しました。


3.何のデッキを握るのか

ではそれを踏まえるとして、一体何のデッキなら最も効率的にプラ1を目指せるでしょうか?ここから勝てるデッキの模索が始まります。

自分がまず使用候補として考えたのは、プラチナ帯でもよく見かけていた鉄獣戦線でした。

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このデッキは自分が考える強さの条件に最も当てはまっており、実際に環境でもTier1デッキとして認識されていました。

しかし鉄獣戦線は既に大流行していることから展開パターンが透かされつつあり"メタられやすい"デッキであったこと、そして何よりテーマとして動きやフレーバーがそこまで好みではないことから、組む気までには至れませんでした。

一番好きなマドルチェのデッキ諦めといて何言うてんねん!といった感じですが、可能な限り好みのデッキで勝ち進みたいと思うのは人間のサガ。好みかつ強いデッキを握るのがモチベーションの観点からも最適解だというのが自論です。

さりとてどうしたものか…と悩みながら、マスターデュエルと環境が大体同じである1年前の遊戯王OCG環境について調べていると、偶々サブデッキとして組んでいたシャドールが当時の環境で戦えていた事を知ります(テーマのフレーバーが好みで組んでただけなので、シャドールが昔からいる環境常連とはこの時までマジで知りませんでした)。

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シャドールは拡張性が高く歴史も長い分、型もレシピもとても多いです。そのためどんなデッキが存在するのかを把握するだけでも、最近の遊戯王の知識が無い自分には一苦労でしたが、その中で自分の現代遊戯王考察とぴったり一致する型を見つけます。それが召喚ドラグマシャドールでした。

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「召喚獣」+「ドラグマ」+「シャドール」と3つのテーマを混合させたこのデッキは、先の自分の現代遊戯王考察に当てはめると、

①二の矢の威力
→各テーマ単体は少ない枚数で動きが完結しており、別テーマでの二の矢三の矢を放ちやすい。
②後攻での強さ
→シャドールフュージョンでの後手からの捲り性能が高い。
③再現性
→各テーマ間で横のシナジーがあり、ほぼどんな組み合わせの初手でも動ける。

と全ての条件を達成。

加えて、シャドールエリアルの存在が環境最前線のエルドリッチや閃刀姫等にブッ刺さっており、メタゲームの観点からも噛み合っていると言えました。

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そんなわけで、プラチナ帯を召喚ドラグマシャドールと共に渡り歩いていくことを決定します。


4.考察と選択の結果

結論から言うと、召喚ドラグマシャドールは最強!連戦連勝!…となるようなデッキではありませんでした。

というのも、強さの条件に関しては自分の予想通り高い水準を満たせている一方で、1ターンで決めきれるような火力面には乏しくコントロールとパーミッションの要素が多いため、一手の間違いがそのまま敗北に繋がるパイロットの性能ありきなデッキだったからです。ハッキリ言って復帰勢が握るようなデッキではない

しかし、デッキの選択ミスだったのか?と問われれば答えはNOです。

このデッキは手札事故がほぼ存在せず、毎試合必ず何かしら動いて相手と対話する事はできます。手札誘発の打ちどころ、リスクとリターンの精査、細かなルールと裁定の把握、全てに正しい答えを出せれば自ずと勝てます。

「勝てるのは運のおかげでも、負けるのは自分のせい」

これを体現していたと言えるデッキで、これは自分にとってはカードゲームにおいて最も理想的で、ストレスフリーで遊べるものでした。

元々好きなテーマでもあるので、握り続けることも苦になりません。試行回数を重ねるごとに経験を通じて知識も習得し、夢中で回していく内に"いつの間にか"プラチナ1を達成することができていました。

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結果的に、環境の考察とデッキの選択は自分にとってドンピシャだったのだと思います。

5.おわりに

いかがだったでしょうか。

知識が無い未知のカードゲームの環境を解体しながら試行錯誤していく過程は新鮮で楽しかったですし、本業のデュエマはやりつつ今後もマスターデュエルは続けて行くと思います。

最後にプラ1到達時の召喚ドラグマシャドールのデッキレシピだけ載せて終わりたいと思います。長文にお付き合い頂きありがとうございました。

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