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アラビア語の壁②母音

こんにちは!

先日の記事ではアラビア文字について基本の28文字についてざっくり触れました。

さあ、この28文字たちを単独形だけじゃなく語中の形まで覚えて、やっとアラビア語を、、、読めません!前回も少し触れましたが紹介した28文字は1つを除いてすべて子音なので、このままではサ行であることがわかっても「サ」なのか「シ」なのかわかりません。

では、どうやって読んでいるのかというと、単語ごとに読み方はほぼ決まっているのでそれらをすべて知ったうえで読んでいます(「この単語のときはサだな」)。難しすぎる!まずは単語を1つ1つ覚えて、それぞれの読み方をしっかり区別させないと読めるようになりません。

しかし!

شكل(シャクル)と呼ばれる母音符号が存在し、アラビア語の教科書や子ども向けの本、クルアーンなどのイスラーム書物(アラビア語を母語としない地域にも広めるためか?)などについています!これなら外国人でも学びやすいですね(私も単語がわからずまだこの段階から抜け出せません、、、)!ただ、日常の文章には基本付きません…

このシャクル、日本語でいうとふりがな、漢文でいうと返り点に近いものかなと思っていて、そのままの文章ではなんと読めばいいのかわからないところの読み方を補完してくれる存在です!

シャクルの使用例

それでは、「サウジアラビア」を意味する単語にシャクルを振ってみます!

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これで「アッスッウーディーヤ」に近い読みとなって、「サウード家の」という意味になります(サウジアラビアの王家はサウード家です。)

ここに出てきているシャクルは全部で4種類あります。

1. ファトハ:上付きのスラッシュ( َ)で母音aを表す。

2. カスラ:下付きのスラッシュ( ِ)で母音iを表す。

3. ダンマ:数字の9を斜めにしたような記号( ُ)で母音uを表す。

4. シャッダ:wを丸くしたような記号( ّ)で子音の重なりを表す。

アラビア語には母音がa, i, uの3つしかないので基本的には1~3の3つで足ります(正確には1~3から派生してan, in, unと読むものが存在します)。4番のシャッダは子音を重ねるときに使うのでまあまあな頻度で出てきます。ここで出てきた4種類以外にも、母音が何もつかず子音だけで読むことを表すスクーン( ْ)やアリフ(ا)を発音しないことを表すワスラ、アリフを長母音化するマッダなど色々なシャクルがあります。

先ほどのサウジアラビアに戻ると、最初のا(アリフは何が付くかによってa, i, uなどに変化する)にファトハがついているのでa、次のは読まず(また今度話します)、その次のにシャッダとダンマが付いているのでssu、…という具合に読んでいくと、アルファベットでas-su’ūdīyaのように発音を便宜的に書き表せます。なお、最後についている点が二つの文字(ة)は子音に出てきませんでしたがターマルブータと呼び、文語ではtの音を持っていますが、口語では発音されません。また、a, i, uと読むところの後ろにそれぞれアリフ(ا)、ヤー(ي)、ワーウ(و)がくっつくと長母音化してā, ī, ūのように伸ばします(サウジアラビアの例では「ウー」と「ディー」のところ)。

アラビア語が読みやすくなるはずのシャクルについて書いていながら逆に複雑になってきてしまった自覚がありますが、シャクルが読めるようになればあのクルアーンも大体発音はわかるようになります!発音がわかるようになれば、アラビア語も少し身近に感じられるのではないでしょうか

それでは!




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