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#112 現代にも政略結婚はあるか?

出光興産とトヨタ自動車の連携、表面上は大企業同士の連携に報道されていますが、ビジネスだけの関係で連携しているのではありません。

豊田一族の豊田章男 会長の息子、大輔氏と出光興産のご令嬢が数年前に結婚し、豊田財閥と出光財閥の両家はビジネスというよりも、財閥同士の付き合いと考えられます。

 戦後GHQの施策により戦前から続く旧財閥が解体されましたが、”海賊と呼ばれた男”で映画化されたように出光興産はタンク底のどぶ皿いから高度経済成長を通じて成長し、トヨタ自動車もモータリゼーション&円安を背景に急成長し、過去の財閥と呼べるレベルまで成長しました。そんな自動車という産業を通じて成長した両家が結びつくのは自然な流れです。

 その事実自体は何も非難されることではありませんが、家族経営、同族経営、財閥経営にはメリットデメリットが共存するのも事実です。

メリット :長期的な視点でビジネスを考えられること。
デメリット:一般的に急成長や変化を嫌う傾向になり、イノベーションが起きにくいことです。

 どちらがいいかは周りのビジネス環境に左右されますが、今のEVシフトの中ではデメリットの方が目立っているように感じます。そして、新技術といわれる個体電池もBYDやCATLのような新たに財閥に加わろうとしている新興企業に競争力で勝つことは、圧倒的に不利です。

 それはなぜか、、、それは、末端で働く社員まで見た時のモチベーションのレベルが戦う側と守る側で全く違うからです。どんな戦いも最前線で戦う末端の士気によって有利不利を覆すほどの威力があると私は思っています。

 江戸時代、どれだけ幕府軍が強大な権力で指示をしても薩長同盟の前に敗れた様に、今の権力(既存ビジネス)の下で甘い汁を吸っている武士(サラリーマン)が勝てなかったことと状況が似ているのです。

そんな環境の中で既存ビジネスの武士である私たちは何ができるのか、選択肢はいくつかあります。

①座して死を待つ
②死ぬ気で戦う
③逃げる
④幕府を変える

どれも正解にも不正解にもなりえる選択肢だと思っています。日本で働く我々は世界的に見たときに幕末の江戸幕府政府のもとに尽くす武士に似ています。幕府末期の武士たちは何を考えて、どんな選択をしたのか、そのことに思いを馳せることで日々の選択に緊張感が出てくるはずです。


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