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#117 建築設備設計のTAM SAM SOMを考えてみる

 韓国アイドルの名前のようなTAM、SAM、SOM…1年前に知った言葉だ。ほとんどの人の人生にとって関係ないこのワード、起業家界隈には常識のワードらしい。

TAM:Total Addressable Market
   「ある事業が獲得できる可能性のある全体の市場規模」

SAM:Serviceable Available Market
   「TAMのうち、実際に顧客としてアプローチできるターゲット層」

SOM:Serviceable Obtainable Market
   「ある事業が実際にアプローチできる顧客の市場規模」

TAM・SAM・SOM

起業というと、スモールスタートからスタートアップ、クラウドファンディングなど様々な手法があるが、やる事の前に、やった時にどの程度成長できそうかを当たり付けする手法だ。最初から夢も希望もない現実を見る気もするが、後からこんなはずでは…と気づくよりも大事かもしれない。

 やる事のイメージは漁に似ていると思う。大きな魚を釣ろう!と思っても、魚のいない場所にどんな立派な網を投げても、そこに大きな魚が居なければ、漁獲高は少ない。その前にソナー探知機で魚群を探す作業が必要なのだ。このTAM/SAM/SOMの網で私の起業した設備設計の業界について検証してみる。

【TAM】設備設計料の国内総額

 1)建設業の市場規模は70兆3200億円
 2)-1民間建築:住宅24.6%+非住宅16.3%=40.9%
   ー2政府建築:住宅0.6%+非住宅5.5%=6.1%
 3)設計料は12%と仮定
 4)設計料のうち、設備設計料(機械+電気)は20%と仮定

 1. 建設投資の動向 | 建設市場の現状 | 日本建設業連合会 (nikkenren.com)

1)×2)×3)×4)=7930億円

あまり実感はわかないがとても大きな額だと思う…

【SAM】中規模建築の割合

 大規模な建築はゼネコンが担当し、小規模戸建て住宅はハウスメーカーが担当するため、1)マンション、2)保育園、高齢者施設など中規模施設の割合を算出

1)住宅におけるマンションの割合 

 戸建て住宅は基本的にはハウスメーカーが担当するため、設備設計が必要なマンションの割合を民間の住宅にかけると1700億円

 2)保育園、高齢者施設、商業ビルなどの中規模建築

 これはなかなか統計が難しい。様々なビル、商業施設の中で中規模と呼ばれるものの割合は定かではない。総額の30%と仮定すると800億円

 1)+2)=2500億円 

これでもかなり大きな数字

【SOM】実際にアプローチできる割合

中規模物件のうち、今お付き合いしている設備設計事務所から乗り換えを検討しているところが弊社がアプローチできる機会がある市場規模と規定

これもざっくりだが、2%(50社に1社くらい)が新規設備設計事務所を検討していると仮定。

2500億円×2%=50億

なんだか急に現実的な数字に近づいた気がする。

【まとめ】

 設備設計事務所がアプローチできる市場規模は50億円.

飲食店やサービス業など、CtoCの業態と比べると、中小企業がアプローチできる市場としては非常に大きいと思う。しかし、その市場にアプローチするには、専門知識、CAD、BIMなど様々な困難もあるし、1つ1つの物件に丁寧に対応していかなければならないため労働時間もかかる。しかし、日々努力を惜しまない人には、とってもブルーオーシャンだと思う

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