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トヨタ生産方式(TPS)のカンバン方式から考える働くモチベーション

 トヨタ生産方式という言葉は製造業をやっている方なら一度は聞いたことがあると思う。トヨタが世界一の生産効率を達成した、日本が世界に誇る生産方式。

 その中核をなすジャストインタイム方式の手法で必須になってくるのは引き取りカンバンと仕掛かりカンバンというシステム。

車両工場では引き取りカンバンが使ったときに外され、部品工場から使った部品を引き取るときに部品と照合して、部品に貼り付けて持っていく。そして外された仕掛けカンバンを元に部品工場では製造が始まる。

引き取りカンバン=部品を使うときに部品から外すタグ
仕掛けカンバン =部品を作った時に部品に付けるタグ

 と説明しても理解できる人は少ないと思うし、頭が痛くなってくる。しかし、1つの概念を導入することで、理解がしやすくなる。それはカンバンを”通貨”として考える事

ポイントは
引き取りカンバン=車両工場で流通している通貨
仕掛けカンバン =部品工場で流通している通貨

と考える事。車両工場”国”では部品を使うと引き取りカンバンという通貨が発行される。その通貨を持っていくと部品工場の両替所で照合されて、新しい部品が買える。部品工場ではその照合(換金)作業で発行された仕掛けカンバンという通貨が流通し、それをもとに部品の製造がスタートされる。

 トヨタ生産方式のメリットは在庫が少なくなる事。なぜ在庫が少なくなるかというと、仕掛かりカンバンがない状態では仕事をしてはいけないというルールだから。車両が作られて、車両工場で通貨が発行されるという行為が無ければ部品が製造されることが無いため余剰生産がないのだ。

 実際の生活で考えると、お金がカンバンの役割となってビジネスが行われている。サラリーマンは固定給なので、頑張ればお金をもらえるという思考になりがちだが、実はそれは余剰生産を生み出す根源。お金をもらえる事をやるのが社会全体を効率化するという事につながるのだ。

 転職も大きく見ればその最適化する作業の一部。通貨を発行しているのが国だとすると、国民がお金をより多くもらえる仕事に就こうとすることで、社会が効率化されていく側面もある。

 お金をモチベーションに働く事も社会全体で見たらよいことなのかもしれない。

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