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大企業は悪意無く悪を行ってしまうことがある。

 大企業で働くということは、例えていうなら、その企業の国民になる感じだと思う。日本に暮らしていると、日本人らしさというのは意識しないのと同じように、その会社特有の文化もその会社にいるとフツーに思ってしまう。

 そして、ロシアやナチス国家が国として戦争や虐殺を起こしてしまうように大企業も時に”意図せず”悪いことを行ってしまうことがある。そして、ロシア人やナチスの国にいる人のほとんどが悪人ではないのと同じように、大企業にいる従業員のほとんどが”いい人”だ。

 ナチス国家がなぜホロコーストという残虐な行為を行ってしまったのかというより、なぜあんな残虐な行為を人が行うことが出来るかに答えがあると思う。

 それは、すべての作業が分業化されていたから。

 ユダヤ人を見つけるのは子供やお年寄り、近所の仲間で、彼らはユダヤ人を見つける事で報酬や賞金を得ることが出来た。そして密告を受けた秘密警察はユダヤ人を連行するだけが仕事だった。そして輸送するだけの役割、拘束するだけの役割、虐殺するだけの役割。。。

 そう、彼らは”自分に与えられた仕事”をこなしていただけなのだ。そして仕事をやればやるほど報酬や賞賛がもらえる環境がその活動を助長させた。そしてこの環境は大企業にも容易に生まれる。

・事業部ごとに割り当てられる原価低減目標
 →仕入先、取引先に圧力をかける
・営業部門に割り付けられる売り上げ目標
 →長時間労働や部下へのパワハラ

 例を挙げればきりがないこういった目標を達成する行為は、それを行う人にとっては”良いこと”という認識で行われている。そして目標を達成する人がその部門の責任者になる事でさらにその度合いを濃くしていく

 この現象を防ぐには1つしかないと思う。視点を内向きから外向きに変える事。大企業という大きな組織の中にいると、その中での評価が自分の評価と勘違いしてしまいがち。これって本当にいいのかな?とふと心に留まる違和感に耳を傾けないと、人生を振り返って後悔することになると思う。

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