見出し画像

【設備設計】太陽光パネルの最適な設置角度は地域によって違う

 政治的な背景はよく分からないが、日本では太陽光パネルを設置して売るときの売電価格が下がり続けている。持続可能な生活を推奨するSDGsのスローガンとは逆行した流れだが、下げ止まり傾向もあり、電気価格が上がっていることから、また上昇することもあるかもしれない。

売電価格が上記のような状況なので、ソーラーパネルを設置しても現状ではコストメリットが無いが、公共の駐輪場や大学施設では、環境配慮へのイメージからソーラーパネルをつけてほしいという依頼が増加している。

 ソーラーパネルを設置する場合、電気設備設計が建築との窓口をすることになる。現在担当している物件について、メーカーの方と設置の枚数や角度について協議したが、設置角度については見栄えとエネルギー効率の観点から設計事務所の方で決めてほしいとのことだったので検討してみた。

①方位

これは南向きが最適だが、±45°しても96%(▲4%)となり意外とロスは少ない。

②水平面に対する取付角


この角度はネットで調べる30°が最適と出てきたりするのだが、実は地域によって大きく違うことが分かった。冬は太陽の軌道が低くなり、太陽光パネルを南向きに立てた方がいいのだが、地域によって冬の気候と日照時間が大きく違うからだ。

③東北、東海、九州地方での違い

日射量データベース閲覧システム (nedo.go.jp)を使って東北、東海、九州の3つの地域の角度別の日射量を比較してみた

 秋田:冬場に天気が悪く、あまり寝かせる効果がない
  愛知:緯度がまぁまぁ高く、冬に天気がいいので効果あり
  鹿児島:緯度が低いため、あまり効果がない

まとめ

緯度が高めで、冬場に晴れの日が多い地域は向きに設置角度をつけると効果的に発電できる。
ただし、売電料が安いので、違いは一般住宅だと一年で数1000円くらい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?