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自然崇拝と個人主義について

いまさらなんですが、「神聖なる一族24人の娘たち」http://24musume-movie.net という映画を観にいきました。ロシアの近くの自然溢れるマリエル共和国というところで、イニシャルにOを持つ女性たちが繰り広げる現実のよつなおとぎ話のようなあいまいなエピソードをオムニバス形式で描いた映画です。たとえば、未来の夫をキノコの匂いを嗅いで占ったり、降霊術をしたり、ゾンビに狙われたり、、、。どれも昔から伝わる伝説そのままに幻想的で、おまじないが現実にどうどうと存在している!美しい映像でした。ただ、なんか観ていて後味の悪さが残る。この国には絶対に住みたくない!という気持ちを感じました。
なんだろうなあと思っていたら思いあたる節がありました。実家だ。。。うちの実家は田舎にあるので、よく把握出来ていない風習が多いのです。親戚の葬儀の時に知らないおばあさんたちにまじない?みたいなのを頼むしきたりがあるらしいのですが、あまりに気持ち悪いため断ったところ、坊主に嫌がらせをされるということがありました。このよくわからない風習を押し付けられている不愉快な感じが似ているんだ。。。
この映画は監督も脚本家も男性で、この映画自体は女性=自然の神秘性をファンタスティックに肯定的に描いたものなんですが(あえてイニシャルもOに限定して 女性を強調している)、自然、神秘といったわけわからんものと同一視されることを拒む女性の視点がないので、なんだかよくわからない役割(文明とは相反するもの)押し付けられてるような感覚を持ちました。そんなの迷信だって嫌がる人だっていてもいいんじゃないのか。
人間すべてに共通するなにかを探しておまじないを調べていたのに、自然崇拝を突き詰めると前時代的な遺物にぶち当たってしまった。自然崇拝と個人主義は相容れないものなんでしょうか。人間個々人が自然でもあるので、そんなことはないと思うのですが。
#影の書

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