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simoun 祈りの詩

すべての人が女性として生まれてくる大空陸。人々は17歳になると泉に行き、自分で性別を決めることができる。舞台は戦時中、神の乗り物「シムーン」を操縦することができる性別化されていない巫女達は、戦闘機として改造されたシムーンに乗り込み、祈りの代わりに人を殺す。巫女として、少女であることを強要されながら…。

2006年頃に深夜アニメとして放送されていたシムーンは、複雑な設定と用語で取っ付きにくいけれど、巫女である少女達の揺れる心、かつて少女だった大人達(すべての人が女性として生まれてくるということは、その辺の偉いおっさんでさえも!)の切ない気持ちがよく描かれていて、大好きだった。
オーパーツを巡り周辺諸国を巻き込んでの戦争は、後半であっさりと終焉を迎え、残った巫女達は今度は泉へ行き、選択することを求められる。

少女はいつか必ず大人になるもの。ところが主役の少女、ネヴィリルとアーエルは2人で逃げ出してしまうのである。そして2人の大人にならない、という選択を仲間の巫女達は反対するどころか応援する。永遠に少女でいるなんて現実的じゃないよ、なんてことは言わないのである。

現実世界の私たちも、多数の巫女と同様に能動的であれ受動的であれ、大人であることを選択し受け入れてきた。うまく大人として振る舞えなくても、ちゃんとできなくても、それでも大人であることに変わりはないし、後悔もしていない。でもどこかで仲間達が少女であり続けていてくれたら、かつての自分がそこに生き続けていることになりはしないか。彼女たちは今度こそ神に祈りを捧げるために飛び、私たち大人のための巫女であり続ける。

詳細はこちらをごらんください。気になったら、レンタルとかしてくれるとうれしいです。
http://www.simoun.tv/index.html

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