参考文献

日本語ばかりでなく朝鮮語での作品をも網羅したものとしては、任展慧『日本における朝鮮人文学の歴史―一九四五年まで』1994が先駆的な労作である。

また、朝鮮語作品をも網羅した一九四五年以後の歴史は、『「在日朝鮮人文学史」のために 声なき声のポリフォニー』2014がある。これは一九四五年から一九七〇年までを扱っており、同時にフェミニズムの視点から本書の引いている竹田青嗣『〈在日〉という根拠』批判ばかりか、第二章「源流としての女性文学史――識字・ライティング・文学」がそれぞれ秀逸である。フェミニズム批評の一つの到達点を示した力作だろう。

加えて『女性国際戦犯法廷の全記録』は全6巻の記念碑的労作。これを読めば「慰安婦」たちがいかに皇軍の性的奴隷であったかがよく分かります。