[米国雇用統計]2021年9月度
2021年9月度雇用統計
10/8(金)に2021年9月度の米国雇用統計が発表されました。
2ヶ月連続して、予想よりかなり少ない雇用者数となっています。
COVID-19 デルタ株の影響がかなり大きかったことが原因の1つだと思われます。
ただし、米国全体での感染者数はピークアウトして収束傾向にあるため、
今後としては経済再開に向けて、雇用者数は上がっていくと思われます。
8月〜9月にかけて再び増加していた感染者数は下記のグラフの通り、
週を追うごとに減少しています。
引用元:CDC COVID Tracker
雇用者数
業界別の雇用者増加状況は下記の通りで、
「政府機関」による雇用者数のマイナスが大きく影響した形です。
雇用統計資料の中でも少し言及がありましたが、2020年2月以降で、地方自治体の雇用は31万人減少しており、デルタ株の拡大もあって雇用が伸びなかったと思われます。
民間全体だと、31.7万人の雇用者数となっており、政府機関のマイナスがなければ結構予想に近い数字になっていたのでは、、、と思いますね。
<2021年度の各業界別の雇用者数の実数推移>
失業率
失業率については、予想を上回って下落しており、良い兆候だと言えます。
逆に、発表当初は、雇用者数激減だけど、失業率は改善している、、、というところで少し混乱した感が市場としてもあった気がします。
FRBのパウエル議長がFOMC等でも言及している黒人の失業率についても、
今回かなり改善してきており、雇用者数の低さが政府関連の影響が大きいことも踏まえると、テーパリングの時期を後ろ倒しにするといったことにはならないのかなと考えます。
<2021年における人種別の失業率推移>
緩やかですが、どの人種でも減少しつつありますね。
<COVID-19発生以降の人種別の失業率推移>
まとめ
今回、雇用者数としては、市場予想を大幅に下回りましたが、中身(特に民間部門)は堅調とも言える内容かなと思っており、テーパリング時期云々の話にはならないと考えています。
ただし、実際予想を下回っていること、政府関連での雇用者数が今後戻ってくるのかについては注意が必要だと思います。
週明けからの米国市場としては、雇用統計ネタでどうこう、というよりは、
来週半ばのJPMorgan(JPM)を皮切りに始まる決算とその他の指標(CPIとかインフレ状況)で動いていく感じになりそうです。