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泥酔しているトップアイドルになった幼馴染を介抱するために、家に連れて帰りました

これの続きです。






〇〇)さくら~、俺の家………来る?

遠藤)行くぅ!

〇〇)はいはい、そんじゃ行くよ。





バイト帰り、酔い潰れて寝ている女性に声を掛けると、それがたまたま乃木坂46のメンバーになった、幼馴染の遠藤さくらだった。

この近くに休めるところはないし、放置して帰るわけにもいかない、

そして卒業生の齋藤飛鳥にお願いまでされては、もう逃げようがない…………

ということで、年齢=彼女いない歴の大学生である俺は、トップアイドルを一人暮らししているアパートまで連れて帰ってきた。





〇〇)ホントに連れてきちゃったよ………
さくら~、着いたよ?

遠藤)はぁい………

〇〇) ずっと寒いとこいただろうし、まずはトイレ行ってきな?

遠藤)はぁい……





まずはさくらをトイレに行かせる。

ずっと寒いとこにいたから、というのは本当だけど、トイレに行かせた本当の理由はと言うと…………





遠藤)……………ゔぇ"ぇ"ぇ"ぇ"

〇〇)やっぱり…





これです。

実は駅からここまでさくらを背負って帰ってきたんだけど、あれだけ暴れてたさくらが急に大人しくなって、話しかけても返事が返ってこなくなってた。

嫌な予感がしたからまずはトイレに行かせたら、案の定盛大に…………

ギャップ萌えとはよく言うけど、これはもうギャップとかそういうもんじゃない。

居酒屋でバイトしてるからか、この手の人の扱いはかなり慣れてしまった。

でも、社会人になれば飲み会とかはあるだろうし、良い経験になる。

汚れ仕事もあるからか時給も少し高くて、その分は推し活に充てている。





ジャ〜〜〜
遠藤)……うぅ。。。

〇〇) 少しはスッキリした?
ほら、お水。

遠藤)あ、ありがとう………





あれだけ酔ってたけど吐いて少しはスッキリしたのか、俺のことはハッキリと認識してるっぽい。

けど、体調は最悪だろうなぁ。





〇〇)一応、飛鳥ちゃんがマネージャーに連絡してくれるって言ってたよ。
もう電車もないしタクシーも走ってないから、今日はもうここに泊まりな?
ベッドは使っていいから。

遠藤)でも〇〇に悪いよ………

〇〇)吐いて少しスッキリしただけで、まだ酔ってるでしょ?

遠藤)また吐いちゃったらベッドが………

〇〇)そんなの気にしなくていいから。
明日と明後日は休みなんでしょ?
とりあえず今日はもう寝な。













翌朝、昼。





遠藤)んっ、頭痛い……
ここは………

〇〇) おっ、やっと起きた笑

遠藤)〇〇……
私、昨日酔っぱらって駅前で寝てて、たまたま〇〇に声かけられて家に連れてきてもらって……

〇〇)トイレで盛大に吐いてた。
連れてくる前は結構れてたよ?笑
あんなの、普段のさくらからは想像できないね笑

遠藤)ご、ごめんなさい…
ものすごく迷惑かけちゃった………

〇〇)気にしない気にしない。
居酒屋でバイトしてるけど、自分で吐いたゲロ投げてきたり、女性の店員に絡んでそのまま連れて行こうとしたり、昨日のさくらなんか比べ物にならないぐらい酷いのいるから笑





これは事実。

言ってみれば、治安は良いとは言えない。

芸能人も来るエリアではあるけど、こういうことがあるから特に女性は終電に余裕がある時間に帰っていくことが殆ど。

多分、飛鳥ちゃんやキャプテンと別れた後、ベンチで寝てしまって終電も行ってしまって、駅員さんに追い出されたってとこかな?





〇〇)まだ吐きそう?

遠藤)気持ち悪いけど、そこまでではないかな……

〇〇)おっけー。
ご飯作ってるからちょっと待ってて。

遠藤)え、そんなのいいよ!
そこまでやってもらったら本当に……

〇〇)いいからいいから。

あ、マネージャーさんだけは連絡しておいたほうがいいんじゃない?
飛鳥ちゃんが事情を説明してくれてるとは思うけど。

遠藤)あっ!!
……めちゃくちゃ着信来てる。。。

〇〇)それは早く折り返したほうがいいね笑





俺がご飯を作っている間に、さくらはマネージャーさんに折り返していた。

料理しながらでも分かるぐらい怒られてるっぽいけど、急にさくらがこっちに話を振ってきた。





遠藤)〇〇、マネージャーさんが変わってほしいって………

〇〇)俺に?





そう言われて、電話を代わった。





〇〇)もしもし、〇〇です。

マネ)“〇〇さま、私乃木坂46のマネージャーをしている者です。
この度は遠藤さくらが大変ご迷惑をお掛けし、申し訳ございませんでした。

〇〇)いえ、別に迷惑だなんて思ってませんよ。
夜は治安が良いとは言えない地域なので、声を掛けたのが幼馴染の僕なのは幸いでした。
齋藤飛鳥さんから連絡は入ってますか?

マネ)”はい、確認しています。
〇〇さまなら信頼できる、と。"

〇〇)ただの一般の大学生がそこまで信頼していただけるのは嬉しい限りです。

マネ)“今、遠藤は何をしていますか?”

〇〇) 今は僕が作ったご飯を食べてるところです。
まだ酔いが醒め切ってないので、薄味の雑炊ですが。

マネ)“昨晩の介抱含め、何から何まで本当にありがとうございます。
また改めてお詫びとお礼をしたいのですが………”

〇〇)お詫びもお礼も大丈夫ですよ。
俺としては酔い潰れた幼馴染を介抱しただけですし……

マネ)”そこを何とか…”





マネージャーさんはどうしても直接お詫びがしたいらしい。

俺としては幼馴染を介抱しただけだしお詫びもお礼もいらないと思ってるけど、食い下がられた。

プライベートで一般人に迷惑をかけてしまったことを、とにかく直接謝りたいらしい。

居酒屋バイトでの経験上、過去に似たようなことがあったのかな?

とすれば、よく今まで表沙汰にならなかったな。。。

ともかく、こっちが押し切る理由も無いし、話を聞くことにした。





マネ)”それでは、ご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか?”

〇〇)あぁ、はい。





俺はマネージャーさんに携帯の番号とLINEのIDを伝えた、





マネ)”ありがとうございます。
数日以内にご連絡いたします。”

〇〇)分かりました。
あの、さくらに代わったほうがいいですか?

マネ)“お願いします。”





そうして後日、改めてお詫びをしてもらうことになった。

さくらも通話を終えると、





遠藤)本当にごめんなさい!!!





ほぼ直角で頭を下げられた。











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