見出し画像

泥酔している人を介抱しようと声を掛けたら、トップアイドルになった幼馴染でした



俺、〇〇は地元名古屋を離れ、東京の大学に進学した。

学費と家賃は両親が出してくれるけど、生活費は自分で稼ぐと決めて居酒屋でアルバイトをしている。

大学生活とバイトの両立はキツいけど、優しい先輩や社員さんに囲まれ、楽しく仕事をしている。

そんな俺の趣味は2つあって、1つは乗り物の運転。

高校1年生の時に買ったバイクを大学進学と同時にこっちに持ってきた。

もう1つはアイドルの応援。

特に乃木坂46が好きで、メジャーデビューした時からずっと応援している。













〇〇) 今日はシングルのフラゲ日〜♪





居酒屋でのバイトを終えた俺は、軽い足取りで家に帰る。

バイトに行く前に届いた乃木坂46の最新シングル、34枚目のシングルを帰ったら開封式の予定だ。



駅の前までやってくると、女性が1人駅の前で座り込んでいた。

既に駅の灯りは消え、こうなるとタクシーはやってこない。

タクシーが来なければ人も来ないから、ここで寝ていては危ないし風邪を引く。

俺は声を掛けることにした。





〇〇)あの~~、こんなとこで寝てたら風邪引きますよ?

??)うぅ~~ん、ほっといてぇ~〜……

〇〇)そうは言っても…

??)どぉ~しいたあのぉ~??

〇〇)ん?
もしかして……

??)んん〜〜~?

〇〇)もしかして、さくちゃん!?

??)アナタだあれぇ?

〇〇)〇〇だけど。。。

??)〇〇?
……………あぁ~~~~っ!!!!

〇〇)声デカっ!!





そう、俺が声を掛けた女性とは、乃木坂46の4期生遠藤さくら。

実は幼馴染だったりする。





遠藤)〇〇だぁ~、えへへぇ〜~。

〇〇)こんなとこで何やってんの……

遠藤)キャプテンと飛鳥さんと飲んでたぁ。

〇〇)飲んでたのは分かるよ?
そうじゃなくて、なんで酔い潰てんの。。。

遠藤)さくは酔ってなぁ〜っい!!





すると、さくらのスマホに着信が入った。

相手の名前は齋藤飛鳥だった。





遠藤)もぉしも〜し?

齋藤)“あ、えんぴー?
ちゃんと電車乗れた?家、帰れた?"

遠藤)今駅で休んでまぁす。

齋藤)“駅で!?
いやいや、もう電車無いじゃん!
マネージャーも寝てるだろうし、その辺り休める場所無いよ!!?"

遠藤)だぁいじょ〜ぶでぇ〜す。
〇〇に泊めてもらいまぁす。

齋藤)“〇〇?"

遠藤)はぁい。





一応、挨拶はしておくか。。。





〇〇)齋藤飛鳥さんですか?
僕、〇〇と言います。
バイト帰りにたまたま酔い潰れてる遠藤さくらを見かけまして…

齋藤)“〇〇?
よくえんぴーから聞かされてたよ笑
それに私の握手会とかミーグリとか、めっちゃ来てくれてたじゃん。"

〇〇)偶然だね。

齋藤)ホントにね〜笑

〇〇)って、笑い事じゃないよ。。。
僕は見たことないけど、乃木坂46の関係者ならさくらが酔ったらどうなるか知ってるんじゃ………

齋藤飛鳥)”まぁね。
でもえんぴーももう子供じゃないし、1人で帰れるって言うから私とうめは別方向だし先に帰ったんだけど…………”





俺は今、齋藤飛鳥と話をしている。

それも、握手会やミーグリみたいな、アイドルとそのファンとしてではない。

一般人としてである。





齋藤)"その辺りさ、ホテルとか一切無かったよね?"

〇〇)ネットカフェならあるけど、どこも酔っ払いは入店拒否だね………

齋藤)“タクシーじゃえんぴーの家は遠すぎるからな~。
ん〜〜…………
そんじゃさ、悪いけどえんぴー泊めてあげてくれない?
その子、明日と明後日は休みだし問題無いよ。
マネージャーには私が言っとくから。"

〇〇)いやいやいやいや、どこが問題無いの!?
さくらはトップアイドルじゃん!!
そんな子を泊めるって、もし週刊誌にでも撮られたりしたら、さくらどころか乃木坂46として大問題じゃん!!

齋藤)“えんぴーの親戚ってことにしておけば大丈夫だって。
乃木坂工事中でも親戚とか地元の友達と一緒に遊んでた写真出てたでしょ?
多少の影響はあるかもだけど、公式から声明を出せば自粛まではならないって。"

〇〇)そういう問題じゃ………





俺は年齢=彼女いない歴の大学生だ。

いくら幼馴染とはいえ、彼女と最後に会ったのは中学の卒業式。

その時に比べて大人になり、ますます可愛くなっている。

しかもさくらは人気アイドルグループ乃木坂46のトップメンバー。

そんな子を酔っているのを介抱するためとはいえ、家に連れ込んでしかも泊まらせるなんて……





齋藤)“世間にバレたら俺は社会的に抹殺されかねない。。。
なーんて考えてるでしょ?笑"

〇〇)なんで分かるの………

齋藤)"そりゃあ、〇〇は飛鳥ちゃんがデビューしたときからのファンなんだぞ?
考えてることぐらい分かるわ〜笑"





電話越しに心を読まれた。

この人はこういうところがギャップというかなんというか、昔は妹キャラだったのにいつの間にかお姉さんをしている。

そこが好きだった。





齋藤)”とにかく、その辺りは人がいないし、もし週刊誌に見られてたら人の気配で気付けると思う。
それでも無理だと感じたら、最悪救急車呼べば問題無いでしょ。"

〇〇)救急車を呼んだとしても、
『乃木坂46人気メンバー遠藤さくら、酔い潰れて救急車に運ばれる』
みたいな記事が浮かんでくる………

齋藤)“とにかく!
〇〇ならマネージャーも名前ぐらいは知ってると思うし、えんぴーが信頼してる人なら私たちも安心できるから、後は任せた!!"

〇〇)え!?
ちょっ、あすk





ツー、ツー、ツー…
そこで通話は切れた。





〇〇)もし撮られたとして、どうやって身の潔白を証明しろっての………

遠藤)さくは酔ってなぁ~っい!!

〇〇)………はぁ、仕方ない。
こんなとこで寝てたら風邪引くし、家まで5分ぐらいの距離だし。。。
さくら~、俺の家来る~~?

遠藤)行くぅ!!!

〇〇)はいはい。
“俺の人生が逝く気がしてきた………"











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?