人見知りの恥ずかしがり屋が恋する話　#５

その日の深夜、目が覚めた〇〇とあやのLINE でのやり取り。

高本L）そっか～。
めぇめ、玄関で倒れてたんだ……

〇〇L）鍵を開けてくれてたんだろうけど、そこで限界が来てしまった感じだった。
病院が近かったし、車で行けば5分の距離だから救急車呼ぶより連れて行く方が早いって思って連れて行ったけど、ダメだったかな。

高本L）う～ん、どうだろ？
病院の人からすれば救急車呼んでよ！
ってなってるだろうけど、5分で着くならたしかに自分で連れて行く方が早いかもね。
それはそれでよかったんじゃない？

〇〇L）そうかな？

高本L）最終的に救急車呼ぶより早かったんでしょ？
妊婦さんでも陣痛が来たときタクシーとかで病院に行くこともあるしさ。
それより、今めぇめどんな感じ？

〇〇L）寝息立てて俺の手握りながら寝てる。
俺は床で寝るつもりだったんだけどね笑

高本L）めぇめ、寂しがり屋だからなぁ笑
でも、インフルエンザだったのを1日以上我慢してたなんてね。
手を握ってほしいって言われて握ってあげたの？

〇〇L）うん、まぁ。

高本L）それって、〇〇はめぇめこと好きなんじゃないの笑

〇〇L）なんでそうなるんだよ笑
それだと俺じゃなくて芽依ちゃんが俺のこと好きってことになるじゃん。

高本L）あ、そっか。
でも、最近は会えば〇〇の話しかしないんだもん。
逆を言えばめぇめが〇〇のことを好きになるぐらい優しくしてあげてるってことなんじゃないの？
それって、〇〇がめぇめを好きになってる証拠だったりして？

〇〇L）まぁ…………たしかに他の女の子とは違うって感じはする。

高本L）でしょ〜？笑
〇〇、次の春から社会人なんだしさ、さっさと告白したらいいじゃん。

〇〇L）あのなぁ…

高本L）めぇめのお着替え手伝ったんでしょ？

〇〇L）それは自力で着替えるのが無理そうだったからです。

高本L）それはつまり、めぇめの下着姿を見たってことじゃん！

〇〇L）身体拭いてあげたり着替え手伝えばそりゃ見ることになるわ！

高本L）ねぇ、めぇめの身体どうだった？笑

〇〇L）真剣に看病してるのにそんなこと言うな。
答えれるわけないでしょ。

高本L）またまた〜笑
ま、冗談はさておき。

〇〇L）おい。

高本L）出会ってまだそんなに時間経ってないのに下着姿を見られてもいいってことは、少なくとも好意はあると思うよ？

〇〇L）そんなもんかね？

高本L）そんなこと言ってるからいつまで経っても彼女できないんだよ笑

〇〇L）シバくぞ。

高本L）とにかく、今はできるだけ一緒にいてあげてほしい。
私、しばらくまともに大学に行けそうにないから。

〇〇L）仕事？

高本L）うん。
雑誌の取材とか番組ロケとかで、2～3週間は行けないかも。

〇〇L）テレビにも出るなんて、人気モデルは大変だな。

高本L）私としてはバラエティーもやりたいし、テレビに出るのは悪くないよ。
モデルが出来なくなっても何かしらのスキルは身に付けておきたいし。

〇〇L）あやもあまり無理すんなよ～。

高本L）分かってるって！
それじゃあ、めぇめのことはよろしくね？
おやすみ～。

〇〇L）"おやすみ。

---

※東村芽依目線。

翌朝、目が覚めた芽依は、繋いだままの手を見て一気に顔が赤くなる。

恥ずかしくなって、手を離した。

東村）あっ………///

〇〇）……んっ、あれ。
あのあと寝落ちしたのか｡｡｡
あ、芽依ちゃん起きてたんだね、おはよう。

東村）お、おはよう………ございます…

〇〇） 気分はどう？

東村）まだ頭も関節も痛いし怠いですけど………
昨日に比べたら、気分はだいぶマシになりました。

〇〇）そっか。
とりあえず、熱測ろっか。

〇〇さんはずっと芽依の手を握ってくれてて変な姿勢やったんか、ちょっと痛そう………

ピピピツ、ピピピツ、ピピピッ
〇〇）38.0°Cか………もう少し下がったらお風呂入ろうか。

東村）はい…

〇〇）今日もゆっくりしてたら大丈夫。
朝ごはんだけど、お粥か雑炊どっちにする？

東村）味が濃くなければ普通のご飯で大丈夫そうです。

〇〇）そっか。
それじゃ朝ごはん作って来るから、少し待っててね。

そういって台所に行った〇〇さん。

ずっと握ってくれてた手が離れた瞬間、なんか寂しかった。

〇〇）お待たせ。
〇〇特製、和の朝食セットで～す。

東村）美味しそう…

出てきたのは、炊き立てのご飯、茄子のお味噌汁、だし巻き卵、納豆、ほうれん草のお浸し、半身のサバの塩焼き。

普通の和食なんやけど、めっちゃ美味しそう。

東村）これ、全部〇〇さんが作ったんですか？

〇〇）まぁね。
これぐらいは作れるようになりたくて、中学生の頃から料理してる成果かな。
さ、召し上がれ。

東村）いただきます。

ご飯は柔らかめで炊いてあるし、お味噌汁もだし巻き卵もまだ具合が悪い芽依に合わせて薄めにしてあるし、サバは完璧に骨抜いてあるし、とにかく芽依が食べやすいように作ってあった。

東村）めっちゃ美味しいです！

〇〇）よかった笑
でも、まだ具合はよくないし、ゆっくり食べてね？

〇〇さんに言われた通り、芽依はゆっくり食べて完食した。

元気やったらご飯おかわりしたかったなぁ。

〇〇）まだ熱があるから、お腹が落ち着いたらもうひと眠りしたほうがいいよ。

その間にお風呂入っておきたいんだけど、借りていいかな？

東村）はい...

〇〇）ありがと。
身体は自分で拭けそう？

東村）………拭いてください。

〇〇）え？

東村）まだ自分で拭けないので拭いてください……///

〇〇） さっき自分で朝ごはん食べてたやん…笑
ま、いっか。

東村）…………///

この後、着替えを手伝ってもらって、芽依が寝てる間に〇〇さんはお風呂に入って、そこからは寝て休んでる以外はいつも通り過ごした。

夕方には微熱まで熱は下がってて、体調も良くなって行った。

そこから日が経つごとに体調は良くなっていって、6日目で完全に通りになった。

この1週間、〇〇さんはずっと芽依のお世話をしてくれたけど、〇〇さんに移してへんかったらいいな｡｡｡

そして1週間ぶりに大学に行ったら…………